OpenText World Japan 2022:Be Digital

皆様、こんにちは。オープンテキスト代表の反町です。 本日は、来る2月17日(木)に開催いたします「OpenText World Japan2022」について、ご紹介させていただきます。 今年のテーマは 「Be Digital」です。 デジタルの力で業務変革を推進することで、企業としての競争力を上げるだけではなく、自社のビジネスをいかに社会や環境に適合させ、最適化させていくか。これこそが我々が掲げる「Be Digital」の本質です。 2021年を振り返りますと、本格的にクラウドへのシフトが進展した1年でした。 またSDGsやESGといった環境や社会に配慮した「サステナブル経営」に注目が集まった年でもありました。 いまやグローバルでビジネスを展開する企業にとって、社会情勢の変化や法制度の改正、そして国際化による取引先の拡大など、様々な変化へ柔軟かつ迅速な対応を可能にするためには、”Be Digital”な思考そのものが重要ではないでしょうか。 本イベントではこのような変化への対応に向けた、デジタル ワークプレイスの実現と、カーボンニュートラルやCSR調達といったサプライチェーンの高度化に向けた最新情報、そしてDXに積極的に取り組まれているお客様の事例などをご紹介させていただきます。 ゲストスピーカーをご紹介します。 2018年に「2025年の崖」問題を指摘したDXレポートを執筆された和泉さまは、その後に起こった新型コロナウイルスのパンデミックが、期せずして、デジタル化に関する多くの課題を表出させたと語ります。今後あらゆる企業が巻き込まれていくグローバルな競争環境において、変革を乗り切り、企業競争力を強化するためには何が必要か。デジタル化の動向と事例を交えながら、関連する政策展開についてご紹介いただきます。 ユーザー事例講演からはお二組をご紹介します。 1899年創業のNEC様は、120年以上の歴史をもちながら、ネットワーク、IT、AIなどの先進技術を融合させ、常に社会にイノベーションを起こす会社として知られています。 日本を代表するエレクトロニクス企業であるNEC様では、OpenText Extended ECMを活用したコンテンツ管理により営業プロセスの標準化を進められたところ、作業の効率化が図られただけではなく、 内部統制や電帳法対応としても機能するなど、数多くの効果を確認されています。そうした事例をNEC様よりご紹介いただきます。 意外にも、最近までITシステムはフルスクラッチによる内製が主流だったと語られる積水化学さまですが、2030年までの業容倍増・海外ビジネス強化に向けて基幹システムのクラウド化、S/4HANA化に合わせB2B領域のクラウドとしてOpenText B2B Managed…

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Ataru Takenouchi

January 24, 20221 min read

皆様、こんにちは。オープンテキスト代表の反町です。

本日は、来る2月17日(木)に開催いたします「OpenText World Japan2022」について、ご紹介させていただきます。

今年のテーマは 「Be Digital」です。

デジタルの力で業務変革を推進することで、企業としての競争力を上げるだけではなく、自社のビジネスをいかに社会や環境に適合させ、最適化させていくか。これこそが我々が掲げる「Be Digital」の本質です。

2021年を振り返りますと、本格的にクラウドへのシフトが進展した1年でした。

またSDGsやESGといった環境や社会に配慮した「サステナブル経営」に注目が集まった年でもありました。

いまやグローバルでビジネスを展開する企業にとって、社会情勢の変化や法制度の改正、そして国際化による取引先の拡大など、様々な変化へ柔軟かつ迅速な対応を可能にするためには、”Be Digital”な思考そのものが重要ではないでしょうか。

本イベントではこのような変化への対応に向けた、デジタル ワークプレイスの実現と、カーボンニュートラルやCSR調達といったサプライチェーンの高度化に向けた最新情報、そしてDXに積極的に取り組まれているお客様の事例などをご紹介させていただきます。

ゲストスピーカーをご紹介します。

2018年に「2025年の崖」問題を指摘したDXレポートを執筆された和泉さまは、その後に起こった新型コロナウイルスのパンデミックが、期せずして、デジタル化に関する多くの課題を表出させたと語ります。今後あらゆる企業が巻き込まれていくグローバルな競争環境において、変革を乗り切り、企業競争力を強化するためには何が必要か。デジタル化の動向と事例を交えながら、関連する政策展開についてご紹介いただきます。

ユーザー事例講演からはお二組をご紹介します。

1899年創業のNEC様は、120年以上の歴史をもちながら、ネットワーク、IT、AIなどの先進技術を融合させ、常に社会にイノベーションを起こす会社として知られています。

日本を代表するエレクトロニクス企業であるNEC様では、OpenText Extended ECMを活用したコンテンツ管理により営業プロセスの標準化を進められたところ、作業の効率化が図られただけではなく、 内部統制や電帳法対応としても機能するなど、数多くの効果を確認されています。そうした事例をNEC様よりご紹介いただきます。

意外にも、最近までITシステムはフルスクラッチによる内製が主流だったと語られる積水化学さまですが、2030年までの業容倍増・海外ビジネス強化に向けて基幹システムのクラウド化、S/4HANA化に合わせB2B領域のクラウドとしてOpenText B2B Managed Servicesをご採用いただきました。

DX戦略を進める中、積水化学様が直面されたB2Bマニュアル業務の撲滅に向けた取り組みと解決策について、情報システムグループの石川様と堀様より、ご紹介いただきます。

デジタル変革 のヒントはここにあります、是非ご参加ください。

ご参加はこちらから
OpenText World Japan 2022
https://resources.opentext.com/opentext-world-japan2022-Online

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OpenText Summit Japan 2023:企業情報DXの加速

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毎年2月に開催しているOpenTextの国内イベントが今年も開催されます。本ブログでは、昨年のイベントを振り返りつつ、今年の見どころをお伝えいたします。 昨年のテーマ:Be Digital 昨年のOpenText年次イベントは、グローバル開催の年次カンファレンスと同じ「Be Digital」をコンセプトに、日本のお客様に向けて、デジタル化の最新情報や事例をお届けいたしました。この「Be Digital」には、ペーパーレス化に留まることなく、業務プロセスに沿ったデジタルプロセスを実現し、効率化と生産性を向上してサステナブル経営を目指す、という意味が込められています。 イベント冒頭で、弊社代表の反町浩一郎より、DXの潮流の下にクラウドシフトとサステナブル経営という2つの顕著な進展について言及しました。 「以前では考えられない基幹系システムやミッションクリティカルなハイエンドな領域でもクラウドシフトが進みました。そしてSDGsやESGなど、社会や環境を重視したサステナブル経営の高まりも顕著になりました。」(反町) その一方で、進展がそれほど見られなかったものとして「企業情報のデジタル化」を挙げています。コロナ禍によるリモートワークの推進で、一見、企業のデジタル化は進んだように見えていましたが、「まだまだ応急処置的」な対応であったと述べています。これは、2021年にOpenTextが先進諸国を対象に行った調査で、日本では、「リモートワークでは情報のアクセスに課題を感じている」と回答したオフィスワーカーが50%以上にのぼり、他の先進諸国に比べて、2倍以上の数字になっていたことからも明らかでした。 「この背景には紙文化、押印文化が根強く残っていることが挙げられますが、官民あげてかつてないほどの文書電子化が進んでおり、今後2~3年で文書情報のデジタル化は驚くほど進んでいくと思われます。当社は日本の「Be Digital」を推進し、日本企業の競争力強化、サステナビリティ経営に貢献していきたいと思います」と呼びかけました。 日本の今後とDXの進捗を示唆する特別講演 また昨年は、経済産業省 和泉憲明氏にご登壇いただき、「DX推進と企業競争力の強化に向けた政策展開~デジタル化の本質と国内外の動向を交えて~」をご講演をいただきました。和泉氏は経済産業省が2018年に発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』をまとめたメンバーの一人です。DXレポートでは、あらゆる企業がデジタル企業へ変革するという趣旨で話が展開されていますが、その先行事例として紹介されたのが、看護師が携行する端末をスマートフォンのネイティブアプリで実装した大学病院の事例でした。電子カルテの全項目を構造化し、院内物流にQRコードを導入した結果、看護師の入力作業がQRコードをカメラにかざすだけでよくなり、また患者さんの観察項目についても、メモする必要がなくカメラで撮影し、電子カルテにその写真を貼り付ければ業務が終了するという実例で、プロジェクトの成功のポイントとして、紙カルテの業務をそのまま電子化するだけでなく、電子カルテとスマホに最適なように業務を設計・実装した点を強調されていました。デジタル化という手段で、コミュニケーションのあり方や働き方など、仕組みを一変させた、トランスフォーメーションの事例であり、この取り組みによって、サービスレベルの向上と経営改善を同時に達成されたようです。一部でDXという言葉は、良い意味でも悪い意味でもコモディティ化しており、手段ばかりがフォーカスされるために、現場における既存ITシステムへの依存、サイロ化や縦割りが問題となっても変えられない。そのため、ビジネスモデルや業務を変革しようとしても、無自覚に現行ビジネスを継続することになってしまうという現状があったそうです。一方で、越境プラットフォーマーは個人情報やアクセス履歴、購買履歴などを横串で見て、レコメンデーションするという新たなビジネスモデルを推進してきており、こうした状況を「2025年の崖」と称し、「DXレポート」という形で世の中に広く伝えようとされたと、説明いただきました。その後、企業のDXを推進施策の全体像を示すために「DXレポート2」が発表され、弊社イベント終了後に出された2.2では、DXをさらに推進するため、デジタル産業の変革に向けた具体的な方向性やアクションが提示されています。DXレポート2では、DX推進のための具体的な実行可能なステップとして3つの「今すぐ」を提示されており、1つ目は「直ちに=今すぐお金で解決」、2つ目は「短期的に=今すぐ着手・決定」。最後の3つ目が「中長期的に=今すぐ取り組むべきこと」。続く2.1では、ユーザー企業、ベンダー企業の区別なく、成長産業を作っていくことを論点とし、デジタル変革後の産業の姿やその中での企業の姿を示すとともに、既存産業の企業がデジタル産業の企業へ変革を加速させるための政策の方向性を示されていました。残念ながら日本企業のDXは「生活習慣病&不健康自慢の状態。本当にデジタルな企業は8%」と評され、このような状況から脱出するために、「経営がIT(データ分析)を使いこなすという観点、つまり経営判断の高度化をすることが重要になる」と言及されていました。 ソリューションの最新トレンドやユーザー企業の声を届けるブレイクアウトセッション 昨年のブレイクアウトセッションは「企業情報DX」と「サプライチェーンの高度化」という2つのテーマに分かれて、セッションが展開されました。 「企業情報DXの最新トレンド」というテーマでは、企業情報DXを支える文書管理プラットフォームに求められる要件や解決方法について解説しました。一般的に、企業が保有している情報の8割を占めるのが、非構造化データと言われる、オフィス文書やPDF、メール、紙など正規化されていない情報ですが、こうした情報には、改ざんが許されない、機密文書が含まれています。弊社ソリューションコンサルタントの西野は、セッションの中で「遵法・安全・統制がとれた形で一元管理する器が必要」と言及し、ソリューション概要とグローバルでの活用事例を紹介。一例として、ロボットメーカーの実例では、契約書のペーパーレス化実現のためにOpenText xECMを導入したところ、30分かかっていた作業が、30秒に短縮し、また適切な交渉タイミングを逃すことなく、全体の契約額も最適化されているとのこと。他にも、データガバナンスや経理DXというテーマの事例も紹介させていただきました。 また、続くセッションでは、「営業管理コスト改善!そのカギは営業プロセスの標準化と効率化にあった!NECが実践するOpenText活用による案件管理の仕組みとは?」と題し、弊社のお客様である日本電気(NEC)様よりご講演をいただきました。 もう1つのトラックでは、「サプライチェーンの高度化」というテーマで、現在のサプライチェーンでは何が起きており、今後どうなっていくのか、先進企業のサプライチェーンのあるべき姿とソリューションについて、ご紹介しました。弊社ソリューションコンサルタントの山本は、「企業にとってサプライチェーンの高度化が重要である」と示唆し、その高度化のステップをご紹介。「サプライチェーンのデジタル化(エンド・ツー・エンドの100%デジタル化)」「サプライチェーンDX(業務横断型のプロセス改革と可視化)」「サプライチェーンレジリエンス・エシカルサプライチェーン(サプライチェーンコントロールタワーによるリスク検知と予測)」「アダプティブサプライチェーン(状況に即したサプライチェーンの再構築と自動化)」をそれぞれ解説するとともに、「これらのステップを順番に上っていけるよう、みなさんと共に考えていきたい」と力強く語りました。 お客様事例講演では、積水化学工業様より、「業務デジタル化の大きな壁“FAX撲滅”も見据えた積水化学の次世代サプライチェーンプラットフォーム」と題した講演をお届けしました。 2時間15分という短い時間に凝縮されたオンラインイベントでしたが、ご参加者の皆様からは、今知りたい、デジタル変革のヒントとなる内容であったとのお声をいただきました。 2023年は「企業情報DXの加速」をテーマに さて今年は、OpenText Summit Japan…

February 16, 2023

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OpenTextが推進する企業市民活動 Zero-Inイニシアチブのご紹介

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今は大きな変化の時ですが、さらに大きな変化を生み出す時でもあります。 OpenTextでは、2030 年に向けた大胆なアジェンダを設定し、その進捗状況を報告するとともに、より迅速な対応が必要な分野を明確に示しています。この報告書では、環境、社会、ガバナンスの目標達成に向けた私たちの昨年の取り組みについて詳しく説明しています。 OpenText Zero-In イニシアチブ – 2030年の誓い OpenTextは、新しい企業市民活動フレームワーク「The OpenText Zero-In イニシアチブ」で大胆な課題を設定し、OpenTextの未来と2030年までに達成する目標を定義しています。当社のZero-Inフレームワークは、ゼロフットプリント、ゼロバリア、ゼロコンプロマイズという3つの柱に基づいています。 カーボンフットプリントゼロ 気候変動は、私たちの時代における最大の課題です。その影響は短期的、長期的、そして実存的なものです。早急に対処しなければなりません。だからこそ、私たちの最初の柱は「ゼロ・フットプリント」でなければなりません。 これからの経済は、資源をシステムに戻し、再び利用する循環型経済です。私たちは、カーボンフットプリントを削減し、あらゆる方法でサステナビリティを推進し、お客様も同じようにサステナビリティを推進できるように取り組んでいます。 私たちのコミットメント ネットゼロ企業になるためには、製品、オペレーション、サプライチェーンにおいて、サステナビリティを組み込むサプライヤーを優先的に採用するなど、様々な削減機会を特定・実行し、よりエネルギー効率の高いプロジェクトを実行するために、組織全体で協力していきます。 当社の情報管理ソリューションは、サステナビリティに対するお客様のニーズの高まりに対応するものです。当社の最優先課題は、お客様のクラウド化、環境イノベーターとしてのお客様の環境目標達成の支援、紙からデジタルへの移行を促進することなどがあります。 ゼロフットプリントへの道のりはそう容易いものではありません。しかし、データと行動を通じて地球に対する説明責任を果たすための重要なステップを踏み出したことを誇りに思います。 障壁をゼロにする あらゆる背景を持つ人々が公平・平等に扱われる社会を希求します。OpenText のすべての声は、耳を傾けられ、尊重されます。多様性はイノベーションの要件であり、多様な組織がより強力なチームを構築します。そうすることで、私たちの社会の根底にある社会的不公正を最終的に打破することができるのです。仕事をつくることで、人生が変わる。 だからこそ、私たちは「ゼロ・バリア」の職場環境を構築していきます。私たちは、採用・雇用維持のための新たな戦略と、包括的な企業文化の継続的な発展を通じて、これを実現します。 私たちのコミットメント OpenTextは、社会的地位の低いグループに開発機会を提供することで、会社だけでなく、私たちが生活し働くコミュニティにも公平性、多様性、包括性をもたらすことができます。私たちは、先住民や黒人の学生インターンシッププログラム、インドでの女性のためのエンジニアリングインターンシップの機会、南アフリカでの重要なスキルトレーニングなどを確立しています。…

January 17, 2023

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製造業のグローバル化を飛躍させるためのSCM強化

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製造業に深刻な被害をもたらしました新型コロナウイルス。サプライチェーンが寸断し調達品の入手が困難な状況が続きました。ものづくりの担い手にこれから求められるのは、さまざまな困難や変化に耐えられる、柔軟性と強靭さを兼ね備えた「レジリエント」な製造業です。そのためには、サプライチェーンDXの実現が欠かせません。 本ブログでは、2022年9月29日に開催された日経クロステック主催オンラインセミナー「Technology Foresight 2022 ~ポスト・コロナを見据えた製造業の進路を描く~」より、ものづくり企業のDX戦略策定についてのサマリーをお届けします。 サプライチェーンDXの取り組みについてのホワイトペーパーや導入事例はこちらをご覧ください。https://digital-tech-insight.jp/opentext/resources/?sol=bn コロナ禍を経験して見えてきたグローバル調達の真髄 前半のセッションでは、調達・購買業務コンサルタントとして数多くのグローバル企業のSCM改革を支援する未来調達研究所の坂口氏と、日経BP総合研究所で製造業の情報化を専門とする木村氏による対談が行われました。グローバル調達における、地政学のリスクやエシカル調達の徹底など複雑な要因が絡み合い、不確実性が高まる傾向にある中で、各メーカーはどのような取り組みが必要となるのかの解説が行われました。 グローバル分散と国内回帰、そしてフレンドショアへ グローバルサプライチェーンは年代ごとに変化が見られ、もともと多くの企業が国内で製造していましたが、90年代からは安価な労働力を模索してアジア地域での『オフショア』が進みました。しかし、その後は地政学や新たな疫病流行などにより『ニアショア』に切り替える企業が登場し、さらに2000年代には経済保障を考慮し『国内回帰』が加速しました。特にコロナ禍においては、リモートワーク関連商品や医療品などのニーズが高まり、近場で確実に製造できることが重視されました。 これらは単なるリスク分散でしたが、近年は人権やSDGsといった価値観によるサプライチェーンが構築されるようになり、『フレンドショア』を進める企業が登場しました。フレンドショアとは「特定のイデオロギーを持つ国とは距離を置く」あるいは「自由主義圏や民主主義圏にもう一つのカードを持ち、分散する」という考え方です。実際に、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシアからの調達を停止した企業は少なくありませんでした。 「見える化」により、付加価値の高いモノづくりへ 単に“モノを売る”ことから脱却し、付加価値の高い商品を生み出すための「見える化」をすべきです。例えば、2001年のITバブル崩壊以降、日本企業の抱える在庫額は増加し続けてきました。昨今の半導体不足の影響を受けてようやく緩やかになりましたが、21年間伸び続けた原因は、自社の在庫額や収益について、経年での「見える化」ができていない企業が多いためだと考えられます。また、サプライチェーンのリスクマネジメント観点からも「見える化」は必須です。旧来は地震や津波などの自然災害を想定したリスクマネジメントが行われてきましたが、昨今は地政学、原材料価格の高騰、法改正など、リスクも多様化しています。あらゆるリスクに備え“いざ”という時に早急に対策できるよう、Tier2以降のサプライヤーについても「どのようなサプライヤーと取引しているのか」「どこから調達しているのか」といった点を透明にしておく必要があります。それらがリアルタイムで見えるようになっていれば、「これから何が起きそうなのか」「必要な在庫がどこにあるのか」を把握し、状況に応じて必要な判断や最適な解決策が見出せるはずです。 そして「見える化」を進めるために必要なのは、デジタル人材の育成」と「デジタルを恐れずに使う組織風土作り」です。今は便利なツールがたくさんあるので、ツールを一から開発する必要はありません。それらのツールを活用できるデジタル人材を育成することが必要不可欠ですが、日本ではデジタル人材の育成が十分に進んでいません。その背景にあるのは「自分の業務はデジタルを使わなくても業務改善できる」と思ってしまうことではないでしょうか。しかし、Amazonが経費削減のためにサーバーを内製したことがAWS誕生のきっかけとなったように、“自分の担当業務だけの改善”に留めず、「自分の取り組みが企業の柱になるかもしれない」という意識を持ち取り組むことで、付加価値の高いサービスが生まれる可能性があります。 DXは決してゴールではありません。その先のCX(Corporate Transformation)、IX(Industry Transformation)へとステップを進めていくためにも、デジタル人材を育成し、デジタルツールを果敢に使い、付加価値のあるモノ、サービスの実現に挑戦していくことが求められていますと締めくくりました。 強靭なサプライチェーン実現に向けたグローバル物流可視化 そして後半のセッションでは、OpenText秋谷と日経BP総合研究所の木村氏による対談が行われました。グローバルビジネスを展開する製造企業において、サプライチェーンリスクマネジメントはいまや経営戦略上の重要な議題の一つとして、サイバー攻撃や自然災害、地域紛争によるサプライチェーンの寸断リスクが高まる中で、ロジスティクスの高度化を見据えたグローバル物流可視化についてのベストプラクティスをご紹介しました。 サプライチェーンコントロールタワーの構築により不測の事態を軽減・回避する プロダクトライフサイクルの短期化が年々顕著になっており、メーカーにとってみると在庫リスクは高まる一方です。需要予測に基づき、調達~生産~販売を計画的に行い、在庫も欠品も最小限に留めたいところですが、サプライチェーンがスムーズに回り続けるとは限りません。新型コロナウイルス感染拡大によるロックアウト、それによるサプライヤーからの部品供給停止、スエズ運河のコンテナ船座礁事故やサプライヤーを経由したサイバー攻撃など、サプライチェーンを寸断させる理由は多様化しており、サプライチェーンマネジメントは企業に取って大きな課題です。 このような不測の事態が起きている中では、可視性と俊敏性を持ったサプライチェーンコントロールタワーの構築が不可欠となっています。例えば、国を跨いで配送に数週間~数カ月を要するグローバル物流においては、トラック・船舶・鉄道とさまざまな輸送手段があり、輸送手段ごとに異なる物流キャリアが介在しているため、メールや電話・FAXでトラッキングするのは困難です。しかし、物流キャリアが提供している情報連携システムを活用して荷物の配送ステータスを企業間で自動連携できれば、「到着予定日に対して予定通り来ているか」「破損・水濡れなどの損傷が発生していないか」といった情報をリアルタイムに知ることができます。さらに社内外のデータと組み合わせて活用できれば、「このままでは予定通りに配送されない」といった予兆を読み取り、在庫を保有する他のサプライヤーを即時に探し出し、早急に在庫を確保するといった対応も可能になるでしょう。 サプライチェーンコントロールタワーというと高度な仕組みに感じられるかもしれませんが、複雑なロジックを組んで自動化することを、最初から目標にする必要はありません。まずは必要な物流の可視性を確保し、判断の精度を高めていくということが重要です。 見える化に失敗する企業の特長とは サプライチェーン情報を「見える化」するためのシステムを導入したが、うまくいかない企業の多くの原因は、「見られるデータがもともと社内にない」あるいは「データはあるがリアルタイムに収集・利用ができない」ことです。可視化するためのシステムを導入するという判断は間違っていないのですが、そもそもデータを取得していなかったり、取得していても個別に管理されていて一部の担当者しか利用できない状況になっていたりすると、導入したツールにデータが供給されません。…

October 24, 2022

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