Ataru Takenouchi
Information Reimagined-エネルギー業界の情報を再構築
エネルギー業界は大きく変化しています。世界の変化に対応するため、エネルギー業界も変化を求められているのです。 国連は、世界の人口が今後 25 年間で 20% 以上増加し、2050 年までに 80 億人から 100 億人弱になると予測しています※1 。この人口の大幅な増加はエネルギー需要の増加をもたらしますが、それに要する時間はわずか 1 世代先です。2023 年の国際エネルギー展望によると、世界の総エネルギー需要は、この期間の推定人口増加よりもさらに速いペースで増加し、34% 増加すると予測されています※2。 変化するエネルギー情勢 これまで石油は、人類史上最大かつ最も重要なエネルギー資源でした。石油は世界のエネルギーミックスの約 30% を占めています※3。しかし、再生不可能な資源(炭化水素ベースかどうかに関係なく)には、再生不可能な資源を生産できる速度に地質学的限界があります。こうした地質学的制約は、コストの上昇や商品価格の高騰など、経済的制約につながります。 米国エネルギー情報局によると、世界の年間石油生産量は過去 6 年間横ばいの状態が続いています※4。 世界の石油生産量は、地質学者マリオン・キング・ハバート氏の予測どおり、新たに生産が開始されても他の場所での自然減によって相殺される水準に達しています。 この傾向と消費者のエネルギー嗜好の変化を組み合わせると、信頼性と費用対効果が高く、持続可能なエネルギーが十分に安全に世界に届けられるようにするための競争が生まれます。…
OpenText Summit Japan 2023:企業情報DXの加速
毎年2月に開催しているOpenTextの国内イベントが今年も開催されます。本ブログでは、昨年のイベントを振り返りつつ、今年の見どころをお伝えいたします。 昨年のテーマ:Be Digital 昨年のOpenText年次イベントは、グローバル開催の年次カンファレンスと同じ「Be Digital」をコンセプトに、日本のお客様に向けて、デジタル化の最新情報や事例をお届けいたしました。この「Be Digital」には、ペーパーレス化に留まることなく、業務プロセスに沿ったデジタルプロセスを実現し、効率化と生産性を向上してサステナブル経営を目指す、という意味が込められています。 イベント冒頭で、弊社代表の反町浩一郎より、DXの潮流の下にクラウドシフトとサステナブル経営という2つの顕著な進展について言及しました。 「以前では考えられない基幹系システムやミッションクリティカルなハイエンドな領域でもクラウドシフトが進みました。そしてSDGsやESGなど、社会や環境を重視したサステナブル経営の高まりも顕著になりました。」(反町) その一方で、進展がそれほど見られなかったものとして「企業情報のデジタル化」を挙げています。コロナ禍によるリモートワークの推進で、一見、企業のデジタル化は進んだように見えていましたが、「まだまだ応急処置的」な対応であったと述べています。これは、2021年にOpenTextが先進諸国を対象に行った調査で、日本では、「リモートワークでは情報のアクセスに課題を感じている」と回答したオフィスワーカーが50%以上にのぼり、他の先進諸国に比べて、2倍以上の数字になっていたことからも明らかでした。 「この背景には紙文化、押印文化が根強く残っていることが挙げられますが、官民あげてかつてないほどの文書電子化が進んでおり、今後2~3年で文書情報のデジタル化は驚くほど進んでいくと思われます。当社は日本の「Be Digital」を推進し、日本企業の競争力強化、サステナビリティ経営に貢献していきたいと思います」と呼びかけました。 日本の今後とDXの進捗を示唆する特別講演 また昨年は、経済産業省 和泉憲明氏にご登壇いただき、「DX推進と企業競争力の強化に向けた政策展開~デジタル化の本質と国内外の動向を交えて~」をご講演をいただきました。和泉氏は経済産業省が2018年に発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』をまとめたメンバーの一人です。DXレポートでは、あらゆる企業がデジタル企業へ変革するという趣旨で話が展開されていますが、その先行事例として紹介されたのが、看護師が携行する端末をスマートフォンのネイティブアプリで実装した大学病院の事例でした。電子カルテの全項目を構造化し、院内物流にQRコードを導入した結果、看護師の入力作業がQRコードをカメラにかざすだけでよくなり、また患者さんの観察項目についても、メモする必要がなくカメラで撮影し、電子カルテにその写真を貼り付ければ業務が終了するという実例で、プロジェクトの成功のポイントとして、紙カルテの業務をそのまま電子化するだけでなく、電子カルテとスマホに最適なように業務を設計・実装した点を強調されていました。デジタル化という手段で、コミュニケーションのあり方や働き方など、仕組みを一変させた、トランスフォーメーションの事例であり、この取り組みによって、サービスレベルの向上と経営改善を同時に達成されたようです。一部でDXという言葉は、良い意味でも悪い意味でもコモディティ化しており、手段ばかりがフォーカスされるために、現場における既存ITシステムへの依存、サイロ化や縦割りが問題となっても変えられない。そのため、ビジネスモデルや業務を変革しようとしても、無自覚に現行ビジネスを継続することになってしまうという現状があったそうです。一方で、越境プラットフォーマーは個人情報やアクセス履歴、購買履歴などを横串で見て、レコメンデーションするという新たなビジネスモデルを推進してきており、こうした状況を「2025年の崖」と称し、「DXレポート」という形で世の中に広く伝えようとされたと、説明いただきました。その後、企業のDXを推進施策の全体像を示すために「DXレポート2」が発表され、弊社イベント終了後に出された2.2では、DXをさらに推進するため、デジタル産業の変革に向けた具体的な方向性やアクションが提示されています。DXレポート2では、DX推進のための具体的な実行可能なステップとして3つの「今すぐ」を提示されており、1つ目は「直ちに=今すぐお金で解決」、2つ目は「短期的に=今すぐ着手・決定」。最後の3つ目が「中長期的に=今すぐ取り組むべきこと」。続く2.1では、ユーザー企業、ベンダー企業の区別なく、成長産業を作っていくことを論点とし、デジタル変革後の産業の姿やその中での企業の姿を示すとともに、既存産業の企業がデジタル産業の企業へ変革を加速させるための政策の方向性を示されていました。残念ながら日本企業のDXは「生活習慣病&不健康自慢の状態。本当にデジタルな企業は8%」と評され、このような状況から脱出するために、「経営がIT(データ分析)を使いこなすという観点、つまり経営判断の高度化をすることが重要になる」と言及されていました。 ソリューションの最新トレンドやユーザー企業の声を届けるブレイクアウトセッション 昨年のブレイクアウトセッションは「企業情報DX」と「サプライチェーンの高度化」という2つのテーマに分かれて、セッションが展開されました。 「企業情報DXの最新トレンド」というテーマでは、企業情報DXを支える文書管理プラットフォームに求められる要件や解決方法について解説しました。一般的に、企業が保有している情報の8割を占めるのが、非構造化データと言われる、オフィス文書やPDF、メール、紙など正規化されていない情報ですが、こうした情報には、改ざんが許されない、機密文書が含まれています。弊社ソリューションコンサルタントの西野は、セッションの中で「遵法・安全・統制がとれた形で一元管理する器が必要」と言及し、ソリューション概要とグローバルでの活用事例を紹介。一例として、ロボットメーカーの実例では、契約書のペーパーレス化実現のためにOpenText xECMを導入したところ、30分かかっていた作業が、30秒に短縮し、また適切な交渉タイミングを逃すことなく、全体の契約額も最適化されているとのこと。他にも、データガバナンスや経理DXというテーマの事例も紹介させていただきました。 また、続くセッションでは、「営業管理コスト改善!そのカギは営業プロセスの標準化と効率化にあった!NECが実践するOpenText活用による案件管理の仕組みとは?」と題し、弊社のお客様である日本電気(NEC)様よりご講演をいただきました。 もう1つのトラックでは、「サプライチェーンの高度化」というテーマで、現在のサプライチェーンでは何が起きており、今後どうなっていくのか、先進企業のサプライチェーンのあるべき姿とソリューションについて、ご紹介しました。弊社ソリューションコンサルタントの山本は、「企業にとってサプライチェーンの高度化が重要である」と示唆し、その高度化のステップをご紹介。「サプライチェーンのデジタル化(エンド・ツー・エンドの100%デジタル化)」「サプライチェーンDX(業務横断型のプロセス改革と可視化)」「サプライチェーンレジリエンス・エシカルサプライチェーン(サプライチェーンコントロールタワーによるリスク検知と予測)」「アダプティブサプライチェーン(状況に即したサプライチェーンの再構築と自動化)」をそれぞれ解説するとともに、「これらのステップを順番に上っていけるよう、みなさんと共に考えていきたい」と力強く語りました。 お客様事例講演では、積水化学工業様より、「業務デジタル化の大きな壁“FAX撲滅”も見据えた積水化学の次世代サプライチェーンプラットフォーム」と題した講演をお届けしました。 2時間15分という短い時間に凝縮されたオンラインイベントでしたが、ご参加者の皆様からは、今知りたい、デジタル変革のヒントとなる内容であったとのお声をいただきました。 2023年は「企業情報DXの加速」をテーマに さて今年は、OpenText Summit Japan…
February 16, 2023 • 1 minute read
OpenTextが推進する企業市民活動 Zero-Inイニシアチブのご紹介
今は大きな変化の時ですが、さらに大きな変化を生み出す時でもあります。 OpenTextでは、2030 年に向けた大胆なアジェンダを設定し、その進捗状況を報告するとともに、より迅速な対応が必要な分野を明確に示しています。この報告書では、環境、社会、ガバナンスの目標達成に向けた私たちの昨年の取り組みについて詳しく説明しています。 OpenText Zero-In イニシアチブ – 2030年の誓い OpenTextは、新しい企業市民活動フレームワーク「The OpenText Zero-In イニシアチブ」で大胆な課題を設定し、OpenTextの未来と2030年までに達成する目標を定義しています。当社のZero-Inフレームワークは、ゼロフットプリント、ゼロバリア、ゼロコンプロマイズという3つの柱に基づいています。 カーボンフットプリントゼロ 気候変動は、私たちの時代における最大の課題です。その影響は短期的、長期的、そして実存的なものです。早急に対処しなければなりません。だからこそ、私たちの最初の柱は「ゼロ・フットプリント」でなければなりません。 これからの経済は、資源をシステムに戻し、再び利用する循環型経済です。私たちは、カーボンフットプリントを削減し、あらゆる方法でサステナビリティを推進し、お客様も同じようにサステナビリティを推進できるように取り組んでいます。 私たちのコミットメント ネットゼロ企業になるためには、製品、オペレーション、サプライチェーンにおいて、サステナビリティを組み込むサプライヤーを優先的に採用するなど、様々な削減機会を特定・実行し、よりエネルギー効率の高いプロジェクトを実行するために、組織全体で協力していきます。 当社の情報管理ソリューションは、サステナビリティに対するお客様のニーズの高まりに対応するものです。当社の最優先課題は、お客様のクラウド化、環境イノベーターとしてのお客様の環境目標達成の支援、紙からデジタルへの移行を促進することなどがあります。 ゼロフットプリントへの道のりはそう容易いものではありません。しかし、データと行動を通じて地球に対する説明責任を果たすための重要なステップを踏み出したことを誇りに思います。 障壁をゼロにする あらゆる背景を持つ人々が公平・平等に扱われる社会を希求します。OpenText のすべての声は、耳を傾けられ、尊重されます。多様性はイノベーションの要件であり、多様な組織がより強力なチームを構築します。そうすることで、私たちの社会の根底にある社会的不公正を最終的に打破することができるのです。仕事をつくることで、人生が変わる。 だからこそ、私たちは「ゼロ・バリア」の職場環境を構築していきます。私たちは、採用・雇用維持のための新たな戦略と、包括的な企業文化の継続的な発展を通じて、これを実現します。 私たちのコミットメント OpenTextは、社会的地位の低いグループに開発機会を提供することで、会社だけでなく、私たちが生活し働くコミュニティにも公平性、多様性、包括性をもたらすことができます。私たちは、先住民や黒人の学生インターンシッププログラム、インドでの女性のためのエンジニアリングインターンシップの機会、南アフリカでの重要なスキルトレーニングなどを確立しています。…
January 17, 2023 • 1 minute read
製造業のグローバル化を飛躍させるためのSCM強化
製造業に深刻な被害をもたらしました新型コロナウイルス。サプライチェーンが寸断し調達品の入手が困難な状況が続きました。ものづくりの担い手にこれから求められるのは、さまざまな困難や変化に耐えられる、柔軟性と強靭さを兼ね備えた「レジリエント」な製造業です。そのためには、サプライチェーンDXの実現が欠かせません。 本ブログでは、2022年9月29日に開催された日経クロステック主催オンラインセミナー「Technology Foresight 2022 ~ポスト・コロナを見据えた製造業の進路を描く~」より、ものづくり企業のDX戦略策定についてのサマリーをお届けします。 サプライチェーンDXの取り組みについてのホワイトペーパーや導入事例はこちらをご覧ください。https://digital-tech-insight.jp/opentext/resources/?sol=bn コロナ禍を経験して見えてきたグローバル調達の真髄 前半のセッションでは、調達・購買業務コンサルタントとして数多くのグローバル企業のSCM改革を支援する未来調達研究所の坂口氏と、日経BP総合研究所で製造業の情報化を専門とする木村氏による対談が行われました。グローバル調達における、地政学のリスクやエシカル調達の徹底など複雑な要因が絡み合い、不確実性が高まる傾向にある中で、各メーカーはどのような取り組みが必要となるのかの解説が行われました。 グローバル分散と国内回帰、そしてフレンドショアへ グローバルサプライチェーンは年代ごとに変化が見られ、もともと多くの企業が国内で製造していましたが、90年代からは安価な労働力を模索してアジア地域での『オフショア』が進みました。しかし、その後は地政学や新たな疫病流行などにより『ニアショア』に切り替える企業が登場し、さらに2000年代には経済保障を考慮し『国内回帰』が加速しました。特にコロナ禍においては、リモートワーク関連商品や医療品などのニーズが高まり、近場で確実に製造できることが重視されました。 これらは単なるリスク分散でしたが、近年は人権やSDGsといった価値観によるサプライチェーンが構築されるようになり、『フレンドショア』を進める企業が登場しました。フレンドショアとは「特定のイデオロギーを持つ国とは距離を置く」あるいは「自由主義圏や民主主義圏にもう一つのカードを持ち、分散する」という考え方です。実際に、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシアからの調達を停止した企業は少なくありませんでした。 「見える化」により、付加価値の高いモノづくりへ 単に“モノを売る”ことから脱却し、付加価値の高い商品を生み出すための「見える化」をすべきです。例えば、2001年のITバブル崩壊以降、日本企業の抱える在庫額は増加し続けてきました。昨今の半導体不足の影響を受けてようやく緩やかになりましたが、21年間伸び続けた原因は、自社の在庫額や収益について、経年での「見える化」ができていない企業が多いためだと考えられます。また、サプライチェーンのリスクマネジメント観点からも「見える化」は必須です。旧来は地震や津波などの自然災害を想定したリスクマネジメントが行われてきましたが、昨今は地政学、原材料価格の高騰、法改正など、リスクも多様化しています。あらゆるリスクに備え“いざ”という時に早急に対策できるよう、Tier2以降のサプライヤーについても「どのようなサプライヤーと取引しているのか」「どこから調達しているのか」といった点を透明にしておく必要があります。それらがリアルタイムで見えるようになっていれば、「これから何が起きそうなのか」「必要な在庫がどこにあるのか」を把握し、状況に応じて必要な判断や最適な解決策が見出せるはずです。 そして「見える化」を進めるために必要なのは、デジタル人材の育成」と「デジタルを恐れずに使う組織風土作り」です。今は便利なツールがたくさんあるので、ツールを一から開発する必要はありません。それらのツールを活用できるデジタル人材を育成することが必要不可欠ですが、日本ではデジタル人材の育成が十分に進んでいません。その背景にあるのは「自分の業務はデジタルを使わなくても業務改善できる」と思ってしまうことではないでしょうか。しかし、Amazonが経費削減のためにサーバーを内製したことがAWS誕生のきっかけとなったように、“自分の担当業務だけの改善”に留めず、「自分の取り組みが企業の柱になるかもしれない」という意識を持ち取り組むことで、付加価値の高いサービスが生まれる可能性があります。 DXは決してゴールではありません。その先のCX(Corporate Transformation)、IX(Industry Transformation)へとステップを進めていくためにも、デジタル人材を育成し、デジタルツールを果敢に使い、付加価値のあるモノ、サービスの実現に挑戦していくことが求められていますと締めくくりました。 強靭なサプライチェーン実現に向けたグローバル物流可視化 そして後半のセッションでは、OpenText秋谷と日経BP総合研究所の木村氏による対談が行われました。グローバルビジネスを展開する製造企業において、サプライチェーンリスクマネジメントはいまや経営戦略上の重要な議題の一つとして、サイバー攻撃や自然災害、地域紛争によるサプライチェーンの寸断リスクが高まる中で、ロジスティクスの高度化を見据えたグローバル物流可視化についてのベストプラクティスをご紹介しました。 サプライチェーンコントロールタワーの構築により不測の事態を軽減・回避する プロダクトライフサイクルの短期化が年々顕著になっており、メーカーにとってみると在庫リスクは高まる一方です。需要予測に基づき、調達~生産~販売を計画的に行い、在庫も欠品も最小限に留めたいところですが、サプライチェーンがスムーズに回り続けるとは限りません。新型コロナウイルス感染拡大によるロックアウト、それによるサプライヤーからの部品供給停止、スエズ運河のコンテナ船座礁事故やサプライヤーを経由したサイバー攻撃など、サプライチェーンを寸断させる理由は多様化しており、サプライチェーンマネジメントは企業に取って大きな課題です。 このような不測の事態が起きている中では、可視性と俊敏性を持ったサプライチェーンコントロールタワーの構築が不可欠となっています。例えば、国を跨いで配送に数週間~数カ月を要するグローバル物流においては、トラック・船舶・鉄道とさまざまな輸送手段があり、輸送手段ごとに異なる物流キャリアが介在しているため、メールや電話・FAXでトラッキングするのは困難です。しかし、物流キャリアが提供している情報連携システムを活用して荷物の配送ステータスを企業間で自動連携できれば、「到着予定日に対して予定通り来ているか」「破損・水濡れなどの損傷が発生していないか」といった情報をリアルタイムに知ることができます。さらに社内外のデータと組み合わせて活用できれば、「このままでは予定通りに配送されない」といった予兆を読み取り、在庫を保有する他のサプライヤーを即時に探し出し、早急に在庫を確保するといった対応も可能になるでしょう。 サプライチェーンコントロールタワーというと高度な仕組みに感じられるかもしれませんが、複雑なロジックを組んで自動化することを、最初から目標にする必要はありません。まずは必要な物流の可視性を確保し、判断の精度を高めていくということが重要です。 見える化に失敗する企業の特長とは サプライチェーン情報を「見える化」するためのシステムを導入したが、うまくいかない企業の多くの原因は、「見られるデータがもともと社内にない」あるいは「データはあるがリアルタイムに収集・利用ができない」ことです。可視化するためのシステムを導入するという判断は間違っていないのですが、そもそもデータを取得していなかったり、取得していても個別に管理されていて一部の担当者しか利用できない状況になっていたりすると、導入したツールにデータが供給されません。…
October 24, 2022 • 1 minute read
OpenText Cloud Editions 22.2発表
加速する変化と新しい働き方が求められる世界において、企業は情報管理によって一歩先を行くことができます。情報管理のグローバルリーダーであるOpenText™は、人、情報、プロセスをつなぐことで、情報を競争力に変えるイノベーションを提供しています。 OpenText™ Cloud Editions (CE) 22.2の発表により、企業はナレッジによる社員の能力向上、安全かつインテリジェントなデータアクセス、高度な接続性によるエコシステムの拡張を実現することが可能になります。これらのイノベーションにより、企業は顧客、パートナー、従業員の体験を向上させ、情報の過負荷を最小化し、生産性を高め、情報を強化・保護することができます。 OpenText Content Cloudのイノベーション ビジネスアプリケーションをうまく統合することは、進化する現代の職場環境における重要な差別化要因です。OpenText Content Cloud CE 22.2 で提供される技術革新は、人、情報、プロセスを結びつけて、現代の仕事を強化するのに役立ちます。 OpenText Core Content CE 22.2では、Microsoft® Teamsとの統合を進め、強力なビジネスプロセスおよび情報管理機能を追加しています。また、高度なガバナンスコントロールや、電子署名、キャプチャ、テンプレート化されたワークスペースなどによる生産性の向上などの革新的な機能も搭載しています。 さらにMicrosoft Teamsとの統合によりモダンワークをサポートするOpenText Extended ECMは、ユーザーはTeamsやSAP®、Salesforce®との間でもコンテンツを共有し、記録システムとコラボレーションシステムを統合して、より良いガバナンスとコンテンツの360度ビューを実現することができます。例えば、TeamsとExtended…
July 11, 2022 • 1 minute read
エシカルサプライチェーンとは? その対応が早急に必要な理由<後編>
前回のブログ:エシカルサプライチェーンとは?その対応が早急に必要な理由<前編> https://blogs.opentext.jp/ethical-supply-chains-1/ 本稿では、昨今、注目を集める「エシカル消費」について、企業に求められる対応を考えていきます。 前回に引き続き、数年以内には必須の対応が迫られるといわれる「エシカルサプライチェーン」ですが、経済産業省と外務省が行った調査結果からは、人権への取り組みを推進したくても、どう進めて良いかわからないといった企業担当者の声も聞こえてきます。 高度なサプライチェーンコントロールを確立するためのソリューションとは とはいえ、前回の大手アパレルの例でもあったように、いまやエシカルという観点でのリスク管理は不可欠の時代です。だからこそ、サプライチェーンの中で、エシカルという観点でのリスクがはらんでいないのか、絶えずウォッチして管理し、何か問題が発生すれば、すぐに別の調達手法、調達ルートに切り替えられるような、高度な「サプライチェーンコントロール」を確立することが求められているのです。 ですが19年にエコバディス社(包括的な企業の社会的責任評価サービスを提供するパイオニア企業)と米ニューヨーク大学スターンセンターが世界各国、さまざまな業種の企業を対象に実施した調査によると、一次サプライヤのみ状況を把握している企業は半数以下の45%。二次サプライヤまで把握している企業は23%、三次サプライヤに至っては全体の4%程度しか把握できていないという結果でした。残りの28%の企業に至っては、まったく把握できていないという回答でした。 オープンテキストではこのような課題を解決する仕組みを用意しています。当社のB2B連携基盤「OpenText B2B Managed Services」では、Dun & Bradstreetの商業データにもアクセスが可能。D-U-N-Sナンバー(企業識別コード)とDun&Bradstreetからのメタデータを活用して、財務的名格付け情報に基づいて調達決定を行うことができるようになります。またエコバディス社の評価データを参照でき、環境、労働慣行と人権、倫理、持続可能な資材調達という4つの主要テーマにわたる21の持続可能性指標による格付けを参考に、サプライヤ選びをすることができるようになります。 ですが、取引を開始した時点では、問題がなくても、その状況が永久に続くとは限りません。サプライチェーンレジリエンスを担保するには、取引が始まって以降も常にチェックして続けることが重要になります。そこで必要になるのが、コントロールタワー機能です。コントロールタワーを構築して、絶えずサプライチェーンの中で起きていることを捉えていくことです。 コントロールタワーでしっかりサプライチェーンを見えるようにするだけではありません。現状を把握した上何か問題があればすぐに新しい状態に移行できるような仕組みも必要です。つまりこれからのサプライチェーンコントロールには、「可視性」と「俊敏性」の2つを実現するための仕掛けが重要になります。 オープンテキストでは、それを可能にするサプライチェーン管理ソリューションを今年中にリリースする予定です。ダッシュボードを介してDun & Bradstreetが提供する企業統計、財務、ESG指標へのアクセスはもちろん、サプライヤのリアルタイムモニタリング機能を提供。ダッシュボードを見ることで、サプライチェーンに何が起こっているのか全体を把握することはもちろん、個々の事象についてもしっかり捉えることができるようになります。またサプライヤに関連する実行可能性リスク、コンプライアンス問題、および混乱を特定する「早期警告システム」によって、手を打つべきところがどこにあるのか、その判断を俊敏に行えるようになります。 オープンテキストが将来的に提供を予定しているサプライチェーンコントロールタワー機能は次のような構成を予定しています。「OpenText Trading Grid」でERPやTMS、PLM、3PLサービスデータ、ソーシャルメディア、気象情報、交通情報などのデータを統合。それらのデータとAI/機械学習分析エンジン、可視化/イベント監視ツールを活用することで、リスクがありそうなサプライヤを示唆するなど、意思決定につながる情報を提供することを視野に入れています。 オープンテキストではこのような仕組みを構築することで、大きな問題になる前に手を打ち、サプライチェーンのサスティナビリティを実現するお手伝いしていきたいと思っています。
May 23, 2022 • 1 minute read
エシカルサプライチェーンとは? その対応が早急に必要な理由 <前編>
昨今、「エシカル消費」というキーワードが注目を集めており、私たちの生活の中も「エシカル」を意識したものになりつつあります。 エシカルは日本語で「倫理的な」と訳されます。辞書によると倫理とは「人として守り行うべき道、善悪・正邪の判断において普遍的な基準となるもの」と説明されています。つまりエシカルとは、「人として守り行うべき道をわきまえていること」となります。一般社団法人エシカル協会ではエシカルを「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動」と定義しており、これらのことからエシカルには大きく環境と人権という要素が含まれていることがわかります。 今、なぜ「エシカル」が求められているのか 企業に「エシカル」が求められている背景に大きく関わっているのが、ESG投資(環境・社会・ガバナンス要素も考慮した投資)の普及です。ESG投資は欧米では古くからある考えですが、普及のきっかけとなったのは2006年に国際連合(国連)が責任投資原則(PRI)を提唱したことです。日本の年金積立金管理運用独立行政法人が15年にPRIに署名し、以降、ESG投資が広がりました。 エシカルのうち、人権という要素が求められる背景に大きく関与したのが、11年に国連が「ビジネスと人権に関する指導原則(指導原則)」が採択されたこと。これにより欧米では人権侵害に対する責任を規定する仕組みとして法整備も進んでおり、フランスでは17年に「人権デューデリジェンス(DD)法」を制定。ドイツでも21年に「リーファーケッテンゲツス サプライチェーン注意義務法」が成立し、23年にも施行が予定されています。 一方、環境(カーボンニュートラル)という観点での要素が求められる背景に大きく関与したのが、15年の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定です。21年に開催されたCOP26で、ルールブック化されることなども挙げられます。それに伴い、欧米で先行している脱炭素対策は、企業価値を高める策として日本でも必須となっています。 もちろん、2015年に国連サミットで採択された持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」も、社会がエシカルを求める背景に大きく関わっています。SDGsには17の開発目標があり、その中には「1 貧困をなくそう」「10 人や国の不平等をなくそう」「12 つくる責任 つかう責任」「13 気候変動に具体的な対策を」「16 平和と公正をすべての人に」など、エシカルに関連するゴールも設けられているからです。 エシカルサプライチェーンへの対応は数年以内には必須に このような企業に対するエシカルへの社会からの要請に対し、サプライチェーンのあり方も変わって行かざるを得ません。 従来、サプライチェーンはQCD(品質・コスト・納期)が重視され、効率性や生産性、品質という観点で管理されていましたが、これからはエシカルな観点での管理が欠かせなくなります。サスティナビリティが保たれるよう、環境はもちろん、人権やさらには紛争鉱物など戦争などについても考えていかなければならなくなっているのです。もはやエシカルサプライチェーンは、BtoC企業のアピールポイントやブランディングの要素ではなく、BtoB企業も含めたコンプライアンス対応の位置づけへと変化しているのです。 それは大手アパレルの複数社が、中国・新疆ウイグル自治区の人権問題を巡り、複数の大手アパレル会社が欧米で不買運動につながるなど、大きな問題に発展したことからも明らかです。この問題で重要なのは、大手アパレルが直接取引をしていたわけではなかったこと。つまりサプライチェーンの上流のサプライヤをたどっていった先に、新疆ウイグル自治区の綿が使われていたということでした。不買運動やネガティブキャンペーンにつながると、株価の下落、企業価値にまで大きな影響を及ぼします。さらにはサプライヤの操業停止や調達品の供給停止という調達リスク、製品リコールや返品の増加など、販売リスクにもつながります。エシカル、カーボンニュートラルを考慮したより高度なサプライチェーンへの対応は、数年以内には必須になると言えるでしょう。 20年10月、外務省は「ビジネスと人権に関する国別行動計画(日本版NAP)」を策定し、企業に対し人権DD導入を期待することを表明しました。翌21年11月には経済産業省と外務省が連名で日本企業のサプライチェーンにおける人権に関する取り組み状況のアンケート調査結果を発表。その調査結果を見ると、日本においては対応の有無に関しては二極化している印象を受けました。その理由としては、日本版NAPが企業アクションには踏み込まず、「人権を尊重する企業の責任を促すための政府による取組」にとどまった政府による「周知」「啓発」「普及」だったことが大きく関係しているように思われます。 アンケート調査結果の概要を紹介しましょう。人権を含めたサステナブル調達基準を設定している企業は5割弱。人権DDを実施している企業は5割強。人権DDを実施していない理由として、3割強は実施方法がわからないと回答。人権への取り組みを推進するにあたって、外部ステークホルダーの関与する機会を儲けている3割に留まっていました。 組織体制についての調査では、人権に関する主観組織を設置している企業は6割弱、人権を含めたサステナブル調達基準を設定している企業は5割弱という結果でした。 この結果から、日頃から欧米(特に欧州)に商品をグローバル展開している企業では、すでに具体的な取り組みを行っていますが、エシカルがブランディングにつながりにくいBtoBの製造業においては、現場の調達担当者がエシカルな調達をしたいと考えても、トップの方針がなければ、会社としてエシカルな調達がなかなかできない現状があるのではないかと推察しています。 次回は具体的な対応策についてご紹介していきます。
May 20, 2022 • 1 minute read
2022年のEDIトレンド
世界のEDI(電子データ交換)市場は、今後6年間で倍増すると予想されています。30年以上もの間、消滅すると予測されてきた技術ですが、皮肉にも、EDIは世界中の企業にとって常にビジネスの中心であり続けています。そして、新年度に向けて、その重要性はますます高まっていくでしょう。ここでは、賢明な企業が予測する6つのEDIトレンドを紹介します。 EDIによるDXイニシアチブ ほぼすべての業界で、COVID-19によりデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが加速しています。最も影響を受けたビジネス分野の1つがサプライチェーンと言えます。世界的な混乱が発生したサプライチェーンでは、いまだに多くのプロセスが複雑で、手作業を必要とすることが多いため、必要なレベルのレジリエンスとアジリティの構築は不可能であることがわかりました。世界中の企業が取引のデジタル化とプロセスの自動化をしていく必要性が明らかになったのです。このパンデミックは、組織がリーズナブルにこの目標を達成する方法にもスポットライトを当てました。OpenText™ Trading Grid™のようなクラウドベースのEDIネットワークに接続すれば、世界中のサプライヤーや顧客と迅速かつ容易に接続し、取引を行うことができます。また、オプションで用意された各種ツールにより、可視性の向上、プロセスの自動化、ビジネスの成長を加速させることができます。 EDIは中小企業で急成長 Fortune Business Insightは、EDIソフトウェアに関するレポートの中で、中小企業(SMB)内の成長が市場の主要な推進力であることを示唆しています。拡大を目指す企業にとって、デジタル化は唯一の道であり、多くの企業は初めてデジタル化するための簡単な方法を見つける必要があります。中小企業は厳しい予算で運営しなければならない一方、特に大口顧客とデジタルで取引することが期待されています。社内にスキルやインフラを持たないサプライヤーは、OpenText™などのクラウドベースのサービスを利用して、大規模小売業者と迅速に接続し、取引を行っています。 EDIはeコマースで大きな役割を担っている 2019年、B2B電子商取引全体の78.4%(7兆円)をEDIが占めています。今ではさらに、B2Bの売上のうち、オンラインで行われるものが増えてきました。その流れは現在固定化されており、今後も拡大していくでしょう。2022年には、EDIが組織内の重要なビジネスプロセスの多くに最適化されているため、EDIとB2B電子商取引という2つの販売チャネルは、より相互に関連するようになるでしょう。EDIは、購買や請求書発行だけでなく、生産とサプライチェーン全体のプロセスにおいて、他のテクノロジーでは代替できないほどの存在感を示しています。さらに、OpenText™ Business NetworkなどのB2B統合ソリューションは、EDIとB2B eコマース機能を組み合わせ、これらの重要なプロセスに関するデータとインサイトを提供します。 ヘルスケアは引き続きEDIにとって重要な分野 世界のヘルスケアEDI市場は、2025年までに59億ドル(約7,000億円)に達すると予想されています。 データのプライバシーとセキュリティを確保するためのHIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)などの規制の増加が、市場の成長を促進し続けています。また、製薬会社や医療機器会社など、EDIのメリットを活用するエンドユーザーが大幅に増加しています。これらの利点には、安全なデータ交換、製品のトレーサビリティ、納期の短縮などが含まれます。 Peppolをはじめとする電子請求書発行の義務化は拡大を続けている EU内の公共調達の電子化や標準化を確立するために、EUが資金を提供して始まったPeppolは、政府機関とサプライヤー間の購入から支払いまでのプロセスを簡素化するために設計されたEDIプロトコルです。2012年の開始以来、ヨーロッパで広く採用され、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリアなどの国でもグローバルに採用されています。2021年1月、シンガポールはPeppol採用の範囲を拡大するための新たな認証を発表しました。不正税制への対策として電子請求が義務付けられていることから、Peppolやその他の電子請求ツールのグローバルな採用は、今後も進むと予想されます。OpenText Business Network は世界最大のネットワークで、民間企業や公的機関が Peppol やその他の標準規格で電子請求書を交換し、ビジネスプロセスを自動化することを可能にしてます。 日本における電子インボイスの標準仕様策定・普及 日本でもデジタル庁や電子インボイス推進協議会(EIPA)が中心となり、「Peppol(ペポル)」をベースとした「電子インボイス」の標準仕様の策定と普及に向けた取組みが行われており、その活動が加速しています。昨年末には、わが国の電子インボイスの標準仕様である「Peppol…
May 06, 2022 • 1 minute read
OpenText World Japan 2022:Be Digital
皆様、こんにちは。オープンテキスト代表の反町です。 本日は、来る2月17日(木)に開催いたします「OpenText World Japan2022」について、ご紹介させていただきます。 今年のテーマは 「Be Digital」です。 デジタルの力で業務変革を推進することで、企業としての競争力を上げるだけではなく、自社のビジネスをいかに社会や環境に適合させ、最適化させていくか。これこそが我々が掲げる「Be Digital」の本質です。 2021年を振り返りますと、本格的にクラウドへのシフトが進展した1年でした。 またSDGsやESGといった環境や社会に配慮した「サステナブル経営」に注目が集まった年でもありました。 いまやグローバルでビジネスを展開する企業にとって、社会情勢の変化や法制度の改正、そして国際化による取引先の拡大など、様々な変化へ柔軟かつ迅速な対応を可能にするためには、”Be Digital”な思考そのものが重要ではないでしょうか。 本イベントではこのような変化への対応に向けた、デジタル ワークプレイスの実現と、カーボンニュートラルやCSR調達といったサプライチェーンの高度化に向けた最新情報、そしてDXに積極的に取り組まれているお客様の事例などをご紹介させていただきます。 ゲストスピーカーをご紹介します。 2018年に「2025年の崖」問題を指摘したDXレポートを執筆された和泉さまは、その後に起こった新型コロナウイルスのパンデミックが、期せずして、デジタル化に関する多くの課題を表出させたと語ります。今後あらゆる企業が巻き込まれていくグローバルな競争環境において、変革を乗り切り、企業競争力を強化するためには何が必要か。デジタル化の動向と事例を交えながら、関連する政策展開についてご紹介いただきます。 ユーザー事例講演からはお二組をご紹介します。 1899年創業のNEC様は、120年以上の歴史をもちながら、ネットワーク、IT、AIなどの先進技術を融合させ、常に社会にイノベーションを起こす会社として知られています。 日本を代表するエレクトロニクス企業であるNEC様では、OpenText Extended ECMを活用したコンテンツ管理により営業プロセスの標準化を進められたところ、作業の効率化が図られただけではなく、 内部統制や電帳法対応としても機能するなど、数多くの効果を確認されています。そうした事例をNEC様よりご紹介いただきます。 意外にも、最近までITシステムはフルスクラッチによる内製が主流だったと語られる積水化学さまですが、2030年までの業容倍増・海外ビジネス強化に向けて基幹システムのクラウド化、S/4HANA化に合わせB2B領域のクラウドとしてOpenText B2B Managed…
January 24, 2022 • 1 minute read
<新年のご挨拶> OpenTextはサステナビリティ経営とガバナンスの推進をITでご支援いたします
2022年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 2021年はクラウドへのシフトがより本格化した1年だったことに加え、SDGsやESGといった環境や社会に配慮した企業経営に注目が集まった年でもありました。 この2年間、コロナ禍において、リモートワークに向けたインフラが整備されてきましたが、とくに昨年はツールやハードウェアの導入・整備にとどまらず、この状況をいかに最適に活かし、どう効率的かつガバナンスを効かせてビジネスを推進していくかに主眼が置かれた年であったと思います。 さらに、SDGsやESGといった環境や社会に配慮した「サステナビリティ経営」への関心も高まりました。オープンテキストが昨年10月に発表した「消費者のエシカル・サプライチェーンに関する意識調査」では、日本の消費者の7割以上が「倫理的に調達・生産された製品を購入することは重要」と感じていることが明らかとなりました。グリーンやエシカル(倫理)の観点から調達先を選定したりすることは、今後すべての企業に求められてくる要素になると思われ、この調査の発表後には多くのお問合わせをいただき、企業の関心の高さを肌で感じた年となりました。今後も、企業の社会的責任、および将来を見据えた長期的な戦略がますます求められてくると考えられます。 次のステップとして、日本企業に必要となるのは「全体最適化」であると考えています。旧来の基幹システムには、数多くの部分最適の繰り返しによってブラックボックス化された現状があり、抜本的なシステムの刷新を困難なものにしました。リモートワークやクラウド化が進むことでこうした問題が浮き彫りになり、また、政府による電子帳簿保存法の改正や電子インボイスなどのペーパーレス推進への影響も懸念されます。そのため、この3~5年以内に情報システムの全体最適化を図り、真にデジタル化したサステナブルな仕組みに作り替えた上で、サプライチェーンの高度化といった、日本経済における喫緊の課題ともいえる取り組みに迅速に対応できる環境作りが重要だと考えています。 今後、あらゆる企業は、「持続可能な社会をつくる」という視点をもって事業活動を遂行していくことが求められます。サステナブル経営、ガバナンスを推進していく上で、ITがより一層大きな役割を担っていくことは間違いありません。オープンテキストは今後も、皆様に信頼され、価値のある会社になるべく全社一丸となって取り組んでいく所存です。 本年も、オープンテキストをどうぞよろしくお願い申し上げます。 オープンテキスト株式会社 代表取締役社長 反町浩一郎
January 05, 2022 • 1 minute read
サプライチェーンDXを成功に導くには?
<前々回のブログ>サプライチェーンDXを成功に導くには? 積水化学様の事例から見えてきた成功要因①~認識された3つの課題~ https://blogs.opentext.jp/successful-supply-chain-dx1/ <前回のブログ>サプライチェーンDXを成功に導くには? 積水化学様の事例から見えてきた成功要因②~検討された3つのポイント~ https://blogs.opentext.jp/successful-supply-chain-dx2/ B2B移行時の考慮点 B2Bを刷新する時に、どういった点を考慮していくべきかをお話ししていきたいと思います。ポイントは2つ。「ITアーキテクチャ」と「SCMデータマネジメント」です。 ITアーキテクチャ① レガシー環境からクラウド環境への移行 ITアーキテクチャ1つ目の考慮点は、レガシー環境にするか、クラウド環境にするかその選択です。 「変化への対応」という視点があります。例えば、昨年からCOVID-19の影響により働き方が大きく変わってきた方も多いと思います。また、最近ではエシカル、これは倫理的なという意味ですが、CO2規制、紛争鉱物規制といったサプライチェーン上の新たな課題も生じています。こうした点にどう迅速に対応していくかという検討が必要になります。 「プロダクトライフサイクル」という視点もあります。ハードウェア、ソフトウェアの最新化をどうしていくのか?進化していくセキュリティの脅威に対しどう対応していくのか?自社で行うことのメリット、アウトソースすることのメリットを考える必要があります。 「接続方法」という視点もあります。直接接続EDIの他、Web-EDIも必要になります。また、これがB2Bの難しいところなのですが、新しい手段に完全に切り替えられず、例えばFAXが残るケースなども存在します。特に今回は調達系ではなく、販売系の取引ですので、自社でコントロールができない側面もあります。加えて将来的にはAPIやIoTへの対応も必要となってくるかもしれません。こうしたことを自社で個々に対応していくのか、それとも専門業者にアウトソースしてしまうのかという決断が必要となります。 企業間データ連携は、一般にお客様のコアビジネスとなるものではありません。独自性が競争優位になるものではないため、これらを考慮した結果、積水化学様では、弊社のようなクラウドサービスを使うことを選択されました。 ITアーキテクチャ② 柔軟性・拡張性を備えた疎結合のアーキテクチャ ITアーキテクチャ2つ目の考慮点は、「柔軟性・拡張性を備えた疎結合のアーキテクチャ」です。 ERP、EAI(最近ではインテグレーション・プラットフォーム・アズ・ア・サービス=iPaaS等もここに含まれます)、そしてEDI/Web-EDI、これらをその特徴によってどう位置付けるかを考えていき、それぞれを分離することで柔軟性や拡張性のあるアーキテクチャにしていくことが重要になってきます。 EPRの特徴としては、業務セントリックであり、定型業務もあり非定形業務もあり、かつそれらが常時行われるということです。 EAI/iPaaSは、アプリケーションセントリックであり、非定型・アドホックであるという特徴があります。 EDIはデータセントリック。やり取りされるデータが重要になってきます。 また、注文をする、納期回答がある、出荷通知がある、在庫残が分かるといったように、繰り返し発生する定型の処理が常時発生します。 これらの特徴を考慮すると、ERP/EAIはオンプレミスや自社クラウドに構築し自社運用する方が効率的です。一方、EDIはそれ自体付加価値を生むものではないので、クラウドベースのサービスを使い、アウトソースしてしまうということが適しています。 ITアーキテクチャ③「ERP」ファイアウォールとしてのB2Bの活用 そもそも企業間データ連携=B2Bとはどういったものでしょうか?…
December 15, 2021 • 1 minute read
サプライチェーンDXを成功に導くには?
<前回のブログ>サプライチェーンDXを成功に導くには? 積水化学様の事例から見えてきた成功要因①~認識された3つの課題~ https://blogs.opentext.jp/successful-supply-chain-dx1/ 本稿ではサプライチェーンDXに向けた具体的な方法論や中身をご紹介させていただくことで、少しでも皆様のDXに向けた取り組みのご参考にしていただければと思っています。 前回に引き続き、積水化学工業株式会社様(以下、積水化学様)が企業間データ連携をどう変えていかれたのかを、さらに詳しく見ていきます。 積水化学様の目指す姿 積水化学様は業容倍増を目指されるなかで、まずは販売側のDXが必要と考えられていました。 従来の環境では、基幹システムが複数のシステムに分かれており、それぞれのシステムが取引先とダイヤルアップで接続され、ファイル交換が行われていました。そのためダイヤルアップ廃止に伴う環境移行という問題も抱えていました。 また、基幹システムの画面の一部を取引先に開放し、Web-EDIのような形でのデータ提供・取得も行っていました。基幹システムを開放しているためマスタデータの参照やロジックなどは完全に基幹システムと同じことができます。しかしながら、基幹システムの機能の一部であるため、仕様上の制約も受け、代理店・販売店にとっては使いやすい機能ばかりではなく、あまり普及していませんでした。これが、代理店・販売店からの注文の多くがFAXや電話で行われているという原因の一端にもなっていたのです。 そこで積水化学様は、まずはダイヤルアップ接続からインターネット接続への切り替えに取り組まれました。Web-EDIは基幹システムと切り離して構築し、ユーザーにとって利便性が高く使いやすいものにすることで、従来FAXや電話で受けていた注文をWeb-EDIに移していくということを計画されたのです。 しかし、取引規模の小さい取引先にとってはWeb-EDIでさえも負担になることが考えられます。そこでクラウドFAXの導入も検討されました。 この姿を目指す上で積水化学様がどのようなことを具体的に検討していかれたのか、検討のポイントを3つご紹介します。 1)導入方針の整理 まず挙げられるポイントは「導入方針の整理」です。この段階では、「直接接続EDI」「Web-EDI」「クラウドFAX」の3つを検討されていました。 「直接接続EDI」は単純です。現在のファイル連携をOpenTextプラットフォームに移行することで実現できます。 「Web-EDI」も同様に方針としては難しいものではありません。弊社データ連携プラットフォーム上に、Web-EDIプラットフォームを構築することで移行できます。 議論となったのは「FAX」でした。「ペーパーレス化」と「基幹システムへの取り込みの簡素化」という2つの大きな改善をもたらすFAXのデジタル化ですが、これを実現する一番良い方法は、Web-EDIに取引先を誘導することでしょう。こうすれば、ペーパーレス化にもなり、人の介在も不要となります。 さらに、FAXの基幹システムへの取り込みでよく議論になるのは、「OCRを導入するかどうか」ということです。 OCRとは、画像のテキスト部分を認識し、文字データに変換する光学文字認識機能のことを言います。具体的にいうと、紙文書をスキャナーで読み込み、書かれている文字を認識してデジタル化する技術のことです。 しかし、OCRもPCから出力した請求書等は比較的読込精度が高いのですが、手書き伝票では読込精度が高くなりません。 結局、手作業による修正が一部で必要となります。こうして考えると、投資対効果を考えどこまで対応していくかを決める必要があります。 FAXのデジタル化には、「1.FAXのWeb化ができない取引先の発見」「2.FAXのデータ化(PDF化)による複合機削減」「3.AI/OCRによる入力補助と証跡管理」の3つのステップが考えられます。 「3.AI/OCRによる入力補助と証跡管理」まで行うには時間がかかります。そこで積水化学様では早期実現を優先され、「2.FAXのデータ化(PDF化)による複合機削減」を優先的な目標に定められました。 参考) 基幹システムがSAPの場合のFAXの取り込み…
December 14, 2021 • 1 minute read
サプライチェーンDXを成功に導くには?
このブログをご覧の多くの皆様の関心事は、やはり自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)についかと思います。同時にこのDXというテーマに対しては、どこからどう手を付けたらよいか分からないといった率直な感想もお持ちではないでしょうか? 数多くのお客様からサプライチェーンDXのご相談をいただく私どもでは、お客様への支援を行っていく中で、サプライチェーンDXの実現には成功のステップやパターンがあることに気づきました。 本稿ではそうしたサプライチェーンDXの方法論や具体的な中身をご紹介させていただくことで、少しでも皆様のDXに向けた取り組みのご参考にしていただければと思っております。 積水化学様の課題 今回、事例としてご紹介させていただくのは、積水化学工業株式会社様(以下、積水化学様)のお取り組み事例です。 住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス、メディカルの4つの部門で事業を展開する積水化学様は、長期ビジョン「Vision 2030」でESG経営を中心とした革新と創造により、2030年までに業容倍増(売上高2兆円、営業利益率10%以上)を目指されています。 その中で積水化学様は、2022年度までの中期経営計画「Drive 2022」のもと、現有事業、新事業、経営基盤の3つの“Drive”を、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって加速されています。 毎年、順調な成長を続けてこられた積水化学様ですが、新たな目標である業容2倍となるとこれまでの考え方を抜本的に見直す必要があります。そこで、積水化学様では部門横断でDXチームを設立され、サプライチェーンDXを強く推進されることになりました。その時に課題として意識されたのは次の3点でした。 1)レガシーシステムの刷新 まず1つ目は、「レガシーシステムの刷新」です。 元々、積水化学様では、システムはスクラッチ開発による「自前主義」が主流でした。その方が、小回りが利きますし、現場の業務に寄り添った仕組みが作れます。しかし、売上高を2倍にするためにはグローバルに販売を推し進めていかなければなりません。そうなるとグローバルで標準化されたオペレーションが必要となってきます。そのため業務やデータを標準化し、これまでのレガシーシステムからSAP S/4HANAといったグローバル標準のシステムへのリプレースも検討しなくてはなりません。 従来の基幹システムが複数のシステムで構成されていたこともあり、こうしたレガシーな基幹システムからの刷新を契機に、企業間(B2B)データ連携の在り方も変わってきます。将来を見据え、社外とのデータ連携をどうすべきかというのが課題の一つとなりました。 2)マニュアルプロセスからの脱却 2つ目は、「マニュアルプロセスからの脱却」です。 一昨年、東京本社を移転された積水化学様ですが、移転に際し旧本社の社内設備や備品を点検された役員の目に飛び込んできたのは予想を超えた複合機の多さでした。調べてみると、まだまだFAXやメールなどのマニュアルプロセスでの対応が非常に多いことが分かったのです。こうした実態を踏まえ、DXの第一歩としてまずは、業務の「デジタル化」を手始めに進められることにしたのです。 3)データドリブンのSCMの実現 3つ目は、「データドリブンのSCMの実現」です。 前述の通り、積水化学様ではこれまで、自社開発により個々の業務に適したシステムを使用されていました。しかし、大きな業容拡大を目指し、グローバルでのビジネスを拡大していこうとする中では、標準化されたシステムにより国内外からデータを収集し、業務横断の可視化と分析ができ、迅速な経営判断・意思決定を行えるようにしていく必要があると考えられました。 積水化学様では、これらを念頭にサプライチェーンDXを推進していかれたのです。次回は、検討された3つのポイントについて解説していきます。
December 13, 2021 • 1 minute read