Exstreamのユニークなテクノロジーから最初にご紹介するのは、データとコンテンツの取り扱い、そしてインテグレーションです。
日本で一般的な帳票ツールに馴染みのある方は、ほぼページ単位の帳票に対して、対応するデータを準備する必要がある、と思っているかもしれません。レポートツールも、単一のクエリーからつるりと生成するのが普通です。もしかすると複雑なSQLで難しい入力に対応しているかもしれませんし、ややこしい前処理で複数のシステムから抽出したデータをマージしたり、非正規化したりして、なんとか目指すアウトプットを帳票ツールの機能で出せるように、頑張った経験があるかもしれません。
あらゆるデータ
Exstreamは、多様なデータ形式のソースに、さまざまな方式でアクセスすることができます。しかも複数のソースを芋づる式に参照することができます。
- 多様なデータ形式
XML、JSON、CSVその他の文字区切り、固定長、COBOL Copy句など、レガシーな形式からモダンな形式まで、特別な変換不要で、そのまま活用することができます。文字コードもASCII、SJIS、EBCDIC、Unicodeなど、そのままでOK。
- さまざまなアクセス方式
ファイルはもちろん、Web Services、WSMS/JMS…といったメッセージキュー、JDBC/ODBCによるデータベース直結など、環境の制約や条件に応じてソースシステムにダイレクトにアクセスすることができます。さらに特別な要件があれば、カスタムなコネクターを開発してしまう荒業も可能。
- 芋づる式の複数ソース参照
複数のデータソースに、必要なタイミングに応じてアクセスすることが可能。「初期化」では、例えば昔のIniファイルのように、起動時にあらかじめ種々の共通設定値や翻訳・参照テーブル配列を設定することが可能。「ドライバー」で主となる顧客番号などの情報を流し込み、複数の「参照」で関連する明細情報などを取得することができます。いわばスタースキーマのような構造で、データを利用できるのです。
結果: 複数の明細を並列に表示
帳票上にいろんなデータを簡単に表示できるだけではありません。素の帳票ツールでは絶対にできない、複数の種類の明細を同一ページ上に、まさにスタースキーマの展開のように、表示できるのです。資産別残高推移と入出金トランザクションの明細と契約オプション別一覧、あるいはもっと簡単に貸方と借方など、世界には複数の明細を並べて表示するニーズがあふれています。それを帳票ツールの制約から我慢しているだけ。Exstreamならごく自然に高度化します。
あらゆるコンテンツ
ページデザイン上にイメージなどを埋め込むことができるのは当たり前。JPEG、PNG、TIFF、EPSF、などなど、驚くほど多様な形式がサポートされています。さらに特徴的なのは、実行時にコンテンツを組み込むことができることです。
- DCI (Dynamic Content Import)
DCIと呼ばれる機能によって、イメージファイルだけでなく、テキストやDOCX、HTML、複数ページのPDFまで、実行時に組み込むことができます。どのコンテンツを組み込むかは、データで指定可能。つまりいかようにでも、自由自在にコントロールできるのです。例えば初期化ファイルで指定しておけば、表示すべき文言を入れ換えることも、ごくごく簡単。お客様の属性や契約内容に合わせて、説明文書や図を差し換えることもOK。別刷りの付属資料を同封しなくても、PDFごと組み込むこともできます。
結果: 帳票の更改が劇的に改善。お客様の体験が向上
データとコンテンツの自由が連れてきてくれるのは、これまで悩みのタネだった帳票の改定作業の劇的な改善。コンテンツを入れ換えてテストすれば、いろんな帳票が一度に修正完了。オンラインでもバッチでも、Exstreamで作っておけば、どんどん合理化の範囲が広がります。
そしてお客様が受け取る帳票の中身も、ぐっと向上。ひとりひとりに合った情報が、いらない情報抜きで、しかもリッチなグラフィックスなどとともに、目に飛び込んできます。さらに特定のお客様にお届けしたい、耳より情報やマーケティング情報も組み込むことができるのですが、その詳細については、また改めてご紹介することにしましょう。
次回は、ひとつのアプリケーションとデザインから複数の出力でデジタル化に即応する、マルチチャネル機能について、解説しましょう。