IDC、製造業向け「Track & Trace and Serialization」分野でOpenTextをリーダーに選出

長年にわたり、製造業者は、製品の原材料の調達から製造・検査・出荷・使用にいたるまでの過程を記録し、追跡可能な状態にする「Track & Trace」を、主にコンプライアンス(法令順守)のための取り組みと捉えてきました。その目的は、規制要件への対応、製品履歴の管理、そして必要時のリコール対応がその中心的な役割でした。
しかし現在、トレーサビリティに求められる役割は大きく変化しています。
製造業は、サプライチェーンの混乱、模倣品の流通拡大、頻繁な規制変更、サステナビリティへの対応、そして消費者や取引先からの透明性に対する要求の高まりなど、これまで以上に複雑な経営環境に直面しています。
さらに、AIの活用が製造現場やサプライチェーン全体を大きく変革していますが、その価値を最大限に引き出すためには、高品質で信頼できるデータが欠かせません。
こうした状況の中で、トレーサビリティは単なるコンプライアンス対応の手段ではなく、「信頼されるものづくり」を支える基盤として重要性を高めています。
このたびOpenTextは、「IDC MarketScape: Worldwide Manufacturing Track-and-Trace/Serialization Solutions 2026 Vendor Assessment」において、リーダー企業として評価されました。
製造業は「信頼できる製品」が競争力となる時代へ
IDCは、製造業においてトレーサビリティの位置づけが大きく変化していると指摘しています。
企業はもはや規制対応だけを目的としてトレーサビリティへ投資しているのではありません。トレーサビリティによって事業全体にわたる具体的な価値を生み出せるようになったことが、投資を後押ししています。
IDCによれば、製造業各社は次のような目的でTrack & Traceシステムの活用を拡大しています。
- サプライチェーンの可視性とレジリエンス(回復力)を向上させる
- サプライヤーに対する品質管理とコンプライアンス責任を強化する
- 変化し続ける規制要件へ迅速に対応する
- サステナビリティやESGに関する報告を支援する
- リコール対応の精度とスピードを向上させる
- 製品の透明性を高め顧客からの信頼を獲得する
- 模倣品の流通を防止し、ブランド価値を守る
- データに基づく意思決定により業務効率を向上させる
言い換えれば、あらゆる製品にはデジタル上の履歴やストーリーが紐付く時代になっています。その情報を信頼できる形で管理・活用できる企業ほど、迅速かつ的確な意思決定を行えるようになるのです。
OpenTextが評価された理由
IDCは、OpenText Core Product Traceability Service(CPTS)が、従来のシリアル化(個体識別)や単純な報告業務の枠を超えた価値を提供している点を高く評価しました。
特に以下のような強みが評価されています。
- 生産から市場流通、さらには消費者による利用段階までをカバーするエンドツーエンドのトレーサビリティ
- 製品の真正性や来歴を検証する機能
- ルールに基づいたリアルタイム監視や調査機能
- OpenText Business Networkとのシームレスな統合
- 製造業に関する豊富なグローバル知見に基づく柔軟で顧客中心のサービス提供
私たちは、これらの評価は製造業が求めるトレーサビリティの進化を反映していると考えています。
単に状況を「見える化」するだけでは十分ではありません。その情報を基に次のアクションを判断し、実行できることが重要です。
トレーサビリティは、報告のためだけの仕組みではなく、企業の意思決定や業務改善を支えるものであるべきです。
多くの企業ではすでに膨大な製造データやサプライチェーンデータが蓄積されています。課題はさらにデータを収集することではなく、それらを関連付けて有効活用することです。
OpenText CPTSは、製品情報、サプライヤー情報、取引データ、品質関連イベント、業務シグナルなどを統合し、企業全体を横断する信頼性の高い可視化を実現します。
これにより製造業各社は、以下のような取り組みを実現できます。
- 製品の真正性を確認する
- 生産から消費者まで製品を追跡する
- 品質問題の原因を迅速に特定する
- リコールによる影響を最小限に抑える
- 不正流通や模倣品を検知する
- グローバルな取引パートナー間でトレーサビリティ情報を共有する
また、CPTSはOpenText Business Networkの一部として提供されているため、企業内部にとどまらず、サプライヤー、物流事業者、流通業者、小売業者、さらには顧客までを含む広範なネットワークにトレーサビリティを拡張できます。
その結果、製品ライフサイクル全体をつなぐ一貫した「デジタルスレッド」を構築することが可能になります。
製造業の次なる変革に備える
今回の評価が示されたタイミングは、製造業が今まさに直面している重要テーマとも重なっています。
例えば、
- デジタル製品パスポート(DPP)
- GS1 Sunrise 2027
- サステナビリティ報告要件の拡大
- 模倣品対策の強化
- AIを活用した製造オペレーション
といった取り組みです。
これらに共通して求められるのが、「信頼できる製品アイデンティティ」の確立です。
製品データの信頼性が確保されていなければ、AI、デジタルサプライチェーン、インテリジェントマニュファクチャリングといった次世代の取り組みから十分な価値を引き出すことはできません。
インテリジェントマニュファクチャリングの未来に向けて
今回のIDCによる評価は、製造業が今後求めるべきトレーサビリティの方向性を示しています。
それは、単なるシリアル化ソリューションではなく、製品、パートナー、業務プロセスをつなぎ、トレーサビリティデータを業務価値へと変換するプラットフォームです。
製造業がDXを加速させる中、OpenTextは今後も、強靭なサプライチェーンの構築、ブランド保護、顧客との信頼関係の強化、そして次世代のコネクテッド・マニュファクチャリングの実現を支援してまいります。


