OpenText Summit Japan 2024 レポート

日本企業のDX加速に向けた新しいAI時代のデジタル…

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12月 18, 20241 min read

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日本企業のDX加速に向けた新しいAI時代のデジタルオペレーション戦略

OpenTextが例年開催する「OpenText Summit Japan」が「Information Reimagined(AI時代のビジネスを再定義し、“情報の再構築”へ)」をテーマに2025年2月13日に赤坂インターシティコンファレンスにて開催することが決定しました。企業がAIを自社活用し企業競争力を向上させるために必要不可欠である、組織全体におけるDXを推進するために必要な取り組みやポイントについて、基調講演や特別講演、同社エキスパートによるセッションや、事例セッションを通じて紹介します。

今回のBlogでは、前回OpenText Summit Japan 2024の様子をご紹介させて頂きます。

▼詳細・お申し込みはコチラ▼
https://www.event-site.info/opentext-summit-japan-2025/?r=ECM-Blog

AIを活用した、これからの企業イノベーションとは

前回、OpenText Summit Japan 2024の冒頭挨拶に続いて行われた基調講演では、早稲田大学大学院経営管理研究所 早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏が登壇。「AIを活用した、これからの企業イノベーションとは」について特別講演をいただきました。

コロナ、国際情勢、資源高、円安、気候変動、SDGs、人材不足、新たなテクノロジーの台頭――。さまざまな変化の中で、企業は『現状維持』では会社がなくなるどころか業界ごとなくなってしまうような圧倒的な不確実性の時代になっています。これからイノベーションを起こせない企業の存続は厳しくなっていくはずです。

では、イノベーションはどのように起こすのでしょうか?入山氏は「新しいアイデアは、まだ組み合わせたことのないモノ同士の組み合わせによって生まれます。しかし、人間の認知能力には限界があるため、どうしても目の前にあるモノ同士を組み合わせてしまいがちです。そして、そのようなアイデアのほとんどは既出の組み合わせです。イノベーションを起こすには、なるべく離れたモノ同士を組み合わせる必要があります。そして、『これはイケそうだ』と思ったら、徹底的に深堀り、アイデアを磨き込み、効率化して、収益化するということを、高いレベルでできている企業・組織・経営者・ビジネスパーソンが成功する可能性が高いのは間違いありません」と話しました。

「イノベーションに必要なのは、遠くのものを幅広く見る『知の探索』ですが、知の探索には、金も、時間も、人もかかるし、失敗も少なくありません。一見すると知の探索は無駄に見えるため、効率を重んじがちな企業は探索せずに目の前の効率化に偏ってしまう傾向があります。もちろん短期的な予算を達成しようとすることも間違いではありません。しかし、目の前の効率を高める作業こそ、AIが得意とする領域なのです。ディープラーニングによって失敗を減らすように学習しているAIには、失敗を恐れずに挑戦する本当の意味での『知の探索』はできません。人は人が対応すべき業務に取り組めるよう、人間のポテンシャルを最大限に引き出し、加速させるためのインフラ装置としてDX化を進めAIを活用しましょう」と呼びかけました。

生成AIの3つのリスクを克服しビジネス利用を可能にする次世代SaaS文書管理サービス『Core Content』

注目を集めているChatGPTやGoogle Vertexなどの生成AIについて、ビジネス利用にあたっては、セキュリティや情報の正確性・信頼性などに不安を頂いている方も少なくありません。オープンテキスト株式会社 秋山 英二(ソリューション・コンサルティング統括本部 コンテンツ/エクスペリエンス・ソリューションコンサルティング部 部長)が、生成AIをビジネス活用する上で解決しなければならない不安と、それらを解消するためのポイントについて説明しました。

「企業が扱うデータのうち80%は見積書や請求書、契約書、図面などの非構造化データです。それらのデータは作って、使って、片づけたら、その後に再活用されることはほとんどありません。生成AIによって、これまで活用できていなかったデータをビジネスに使用できるようになりますが、生成AIに関するスキルを保有した人材が社内にいるケースは極めて少なく、企業は『どのように生成AIを活用できるか』について具体的なイメージを持つことは難しいでしょう。さらにChatGPTなどを触ってみたことがある方なら、生成AIの正確性やプライバシーリスクを不安に感じるかもしれません」

生成AIに関する利用が進んでいない理由に触れたうえで、生成AIを使用しないリスクへの注意喚起も促しました。

「しかし、『当社での生成AIのビジネス活用は、まだ先かな』とゆっくり考えている間に、競合他社が生成AIを活用して企業競争力を高めていて出遅れてしまった……ということになりかねません。「生成AIはリスクがあるからやらない」という判断こそが、後々さらに大きなリスクになってしまうのです」

生成AIをビジネス活用するうえでの3つのリスクについても説明しました。

「正しいデータを学習させているのに、AIが事実と異なる答えを生成してしまうリスクが3つあります。1つめの『嘘つきなAI』です。インターネット上の不確かな情報を学習させてしまうと誤った回答をしてしまう可能性がありますので、信頼できるデータソースから学習させる必要があります。また、古いファイルがフォルダ内に残っていると途中段階のファイルから生成AIが学んでしまい、最終決定したのとは異なる答えに基づいて回答を作成してしまう可能性もあります。

2つめのリスクは『おしゃべりなAI』です。ファイルやフォルダごとに閲覧権限が設定されているにも関わらず、生成AIが社内のあらゆるデータを学んでしまうことで閲覧権限がないユーザーに越権した答えを返してしまうことがないよう、生成AIを活用する際には権限を引き継いだ管理も必要になります。

3つめのリスクが『視野の狭いAI』です。生成AIを使って包括的に分析をしようとしても、ファイルやフォルダがサイロ化してしまっていてはAIがデータを活用することができず、結果的に視野が狭い回答しか返せなくなってしまいます。

それら3つのリスクを克服し、生成AIを活用するためには、学習するデータが全て最新版であり、一元管理され、セキュリティも万全であることが必要不可欠です」

生成AIを使うのは目的ではなく、あくまで企業の競争力を高めるための手段の一つであることを改めて強調し、そのため、デジタル化、DXは避けられないステップであることを説明し、次世代SaaS文書管理サービス「OpenText Core Content」であれば、文書管理における3つの問題をクリアした文書管理を実現できること、きちんとした文書管理に戻づく業務のデジタル化を行えば、リッチでシュアなデータソースが蓄積され生成AIの価値も継続的に向上させることができること、Contents Aviatorによってすぐに会話型AIをビジネスに活用できることも紹介しました。

来るべきAI時代を見据えたOne Data Platform
~日々の業務効率化から始めるデータ利活用の基盤つくり~

業務ノウハウやAIデジタライゼーションに高い知見を有するデロイトトーマツグループと、日々の業務効率化を実現しながら生成AI活用が可能な基盤を作り上げる方法について、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社 小寺 洋輝氏(新規事業推進 マネジャー)のセッションでは、未来の内部統制の姿について次のように話しました。

「内部統制は、『業務の有効性・効率性』、『財務報告の信頼性』、『事業に関連する法令の遵守』、『資産の保全』を達成するために企業の中で構築されるプロセスです。しかし、細分化されてしまうことでブラックボックス化してしまい、担当部署しか把握していないという事象が起きてしまいがちです。従来の内部統制は『コントロールの証跡を残す』意味合いが強いものでしたが、未来の内部統制ではデジタルを駆使し『コスト最適化』、『生産性向上』、『業務の簡潔化』、『業務の自動化』の4つの目標を目指すことになるでしょう」

内部統制のフレームワークの再構築や運用モデルの構築と合わせて、業務の自動化・簡潔化を行うテクノロジーエコシステムには、ECMを核としてシステムを連携したOne Data Platformの構築を推奨しました。さらにディープラーニング技術をコアとした幅広いビジネス文書に対応するAI-OCである、デロイト トーマツが独自開発した人工知能サービス「Deep ICR®」をOpenTextのExtend ECMと連携させることで、One Data Platformにおいて自動化・効率化を促進できる点についても言及。ECMを核とした共通プラットフォームにデータ保管することで、コストと業務プロセスへの影響を最小限に抑えながら、ガバナンスを強化できることを呼びかけました。

生成AIのビジネス活用が今すぐできる――
企業競争力向上に直結するOpenTextのソリューション

2024年の「OpenText Summit Japan」では、全14本のセッションを通して、トラステッドデータの維持と管理、最適なシステム構築や刷新・改善を行い、生成AIを活用するためのさまざまなソリューションとして、OpenTextの新しい戦略的アプローチであるopentext.aiならびにOpenText Aviatorと各ソリューションの連携シナリオと強化されたソリューションポートフォリオをOpenTextのエキスパートによるブレイクアウトセッションでご紹介しました。

まだまだ先の事のように思われていた生成AIのビジネス活用ですが、急速なテクノロジーの革新により、すでに先進的な企業は活用を始めています。OpenTextユーザーによる事例講演では、NEC、日立ハイテク、PayPay銀行、NTTコミュニケーションズ、コニカミノルタなどの大手企業のユーザーによる導入効果についてもお話しいただきました。

OpenTextは生成AIを御社のビジネスに活用するためのソリューションを提供しています。

事例講演も多数あり企業の課題解決のお役立てになる情報満載の2025年2月13日開催「OpenText Summit Japan 2025」へ是非ご参加下さい!

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OpenText™ は、情報管理ソフトウェアおよびサービスのグローバル・リーディングカンパニーです。 ビジネスクラウド、ビジネスAI、ビジネステクノロジーの包括的なスイートを提供し、企業が複雑化するグローバルな問題を解決できるよう支援しています。 オープンテキスト(NASDAQ/TSX: OTEX)の詳細については、https://www.opentext.com/ja-jpをご覧ください。

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