2018年が始まってすでに2か月ほど経っていますが、2017年末にOpenText™ Business Networkプロダクトマーケティングチームによる「2018年のサプライチェーンに関する予測」が発表されました。
2017年に起こった事象を分析し、業界の動向や顧客の洞察を組み合わせた「2018年のサプライチェーンに関する十大予測」をご紹介いたしましょう。
1. クラウドベースのFAXサービスの採用は指数関数的な成長を見せる
FAXは依然としてサプライチェーンにおけるコミュニケーション手段として重要な役割を果たしています。とりわけ、クラウドベースのFAXサービスは、サプライチェーンのコミュニティ(顧客・サプライヤー・物流企業など)におけるコミュニケーション手段として引き続き成長していくことでしょう。
2. B2B統合が中小企業にも広がっていく
大企業がエンドツーエンドのサプライチェーンをデジタル化し続ける中、中小企業がビジネス文書を電子的に交換することにますます期待が高まっています。2018年、中小企業は、シンプルで使いやすいクラウドベースのB2B統合ソリューションの利用を検討するでしょう。そのクラウドベースのB2B統合ソリューションには、あらゆる顧客をサポートする柔軟性とビジネス拡大に対応する拡張性が求められます。
3. Blockchainのサプライチェーン全体への適用が始まる
2017年はサプライチェーンにおけるBlockchainの推測・プレアナウンス・パートナーシップ・パイロットの年でした。(例:サプライチェーンファイナンス、食品のトラック&トレース、輸送コンテナ追跡など) 2018年には、企業がこの技術を最もうまく実装してアクセス可能にする方法を身に着け、「サプライチェーンのブロックチェーン」のパイロットプロジェクトが成功することでしょう。
4. 人工知能(AI)は調達機能をリエンジニアリングする
企業が購買活動を最適化し、コストを削減するために、調達機能全体での人工知能(AI)の利用が2018年に急激に増加することが予想されます。2018年には、特定の種類の商品の購入/補充の自動化、サプライチェーンでの詐欺行為の検出によるコストとリスクの低減、商品の製造における予測精度の向上などにおいて、人工知能技術を利用した調達業務の最適化が実現されるでしょう。
5. 物流・輸送業者は、よりインテリジェントな接続車両技術を活用する
テスラが発表した電気セミトラックに追随して、他の商用車メーカーでも新しい電気トラックが発表されるでしょう。これにより、ロジスティクス・キャリアを中心としたコネクテッド車両技術の成長・導入が加速され、サプライチェーン全体でのエンドツーエンドの可視性向上に貢献するかもしれません。
6. IAMソリューションがエンド・ツー・エンドのサプライチェーンの確保に役立つ
ERPやWMSなどの内部エンタープライズリソースへの安全な外部アクセスを提供するなど、エンドツーエンドのサプライチェーン全体にわたるセキュリティの懸念が高まると、2018年にアイデンティティ・アクセス管理(IAM)ソリューションのニーズが高まることになります。サプライチェーン全体でIoTエンドポイントを確保できるようになれば、2018年には企業がデジタルエコシステムを確保しようとするため、IAMソリューションの採用がさらに促進されるでしょう。
7. EUにおけるGDPRの導入は、貿易相手国情報の管理改善に重点が置かれる
2018年に欧州にGDPR(一般データ保護規制)が導入されると、企業はサプライチェーン全体で個人情報をどのように使用し管理するのかを再考することになります。サプライチェーン全体で外部取引先から提供された「選択された」連絡先データを保護するために、2018年上半期にIAMソリューションの採用の指数関数的な成長を間接的に促進する可能性があります。
8. サプライチェーンの運営を支援するデジタルバックボーンの導入を検討する
2018年にIoT、ウェアラブルデバイス、機械学習の採用が加速することで、バックエンドネットワークインフラストラクチャの近代化の必要性が推進されます。企業は既存のネットワークインフラストラクチャを単一のデジタルバックボーンに統合して近代化し、社内外関係者間で情報を安全にアクセス、管理、交換できるようにします。
9. 拡張現実(AR)技術がサプライチェーンの運用を変革する
ウェアラブル機器技術の継続的な進歩は、2018年にサプライチェーンの特定の側面を変えるでしょう。(倉庫および物流事業ならびにアフターマーケット分野のサービスおよびサポートなど)サプライチェーン全体、すなわちIoTデバイスを通した接続の増加に伴い、拡張現実(AR)技術がサプライチェーンシミュレーション活動に適用され始め、サプライチェーンの取引を全く異なる方法で見直すことを可能にするでしょう。
10. 自律的サプライチェーン」が出現する
機械学習、Blockchain、IoTなど主要な破壊的技術が集結することにより、2018年に「自律的サプライチェーン」の出現を見るでしょう。接続されたIoTデバイスからのリアルタイム入力に基づいて状況に対応できるようになると、企業が2018年にサプライチェーンを最適化する方法を変えざるをえなくなるでしょう。
いかがでしょうか?
まだまだ先のことのように感じられるかもしれません。
でも、サプライチェーンは世界を駆け巡っています。
世界のどこかでの取り組みが皆さんを巻き込むかもしれません。
もちろん、皆さんがトレンドの先駆者・発信者になるかもしれません。
営業本部
ソリューションコンサルタント
山本 惟司