潤滑油を使わないオイルレスベアリング(軸受)をはじめとする精密機械/部品の総合メーカーとして欧・米・アジアでビジネスを展開するオイレス工業株式会社。同社は、グローバルな企業間取引を支えるEDIとしてOpenText B2B Integration EnterpriseとOpenText SCM Suiteを採用しました。現在、軸受機器を扱う事業部門と、建築機器を扱う事業部門が国内の主要代理店との取引で活用し、国内の軸受事業では対象顧客の受発注についてEDI化率60%を実現しています。
グローバル統一基盤の構築に向けてOpenText B2B Integration Enterpriseを採用
オイレス工業のオイルレスベアリング製品は、自動車、事務機器、半導体製造装置、橋、水力発電所など幅広い領域で採用され、世界の産業やインフラを支えています。主要生産拠点を国内のほか海外でも欧・米・アジアに置く同社の海外売上高比率は38%に達しています。
同社の卓越したトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)技術は、免震・制震装置の構造機器事業、排煙・換気需要に応える建築機器事業へと展開されています。一般・自動車軸受事業部 企画部 事業企画課長の芝宮孝氏は「弊社では2030年をマイルストーンとするOILES 2030 VISIONを定めており、コア技術であるトライボロジーとダンピングで社会課題の解決と企業価値向上を図るとともに、新技術・新規事業創出と経営基盤の高度化による“+X”でサステナブルな社会の実現への貢献を目指しています」と語ります。
従来、商取引のEDIに付加価値通信網(VAN)サービスを利用してきた同社は、グローバル拠点と日本へのSAP ERP導入を機にVANの接続を再設定しましたが、年数とともに拡張性の不足や老朽化などの課題が顕在化。また、米国の拠点にEDIシステムを構築した際に得意先との接続の認証に苦心したこともあり、あらためてグローバル標準のEDIを検討したと、企画管理本部 情報システム部の加藤謙一氏は振り返ります。
「各海外拠点からEDIを検討したいという話を聞いていたので、グローバル拠点への適用が可能なEDIシステムを検討しました。OpenText B2B Integration Enterpriseは欧州の自動車業界でも実績があり、世界で110万社以上に利用されていたため、グローバル統一基盤の構築とガバナンスの確保に向けて採用を決めました」
国内はVANベースのEDIからリプレース 軸受事業部のEDI化率向上を実現
OpenText B2B Integration Enterpriseの導入にあたっては、新工場を立ち上げたばかりだったインドを最初の拠点と定め、2017年から利用を開始しました。日本国内では2019年にVANをベースとした従来のWeb-EDIから切り替えを実施。1990年代から利用していた従来のEDIシステムは、厳格なルールに縛られて業務効率に課題があったと、一般・自動車軸受事業部 企画部 事業企画課 主任の田沼礼子氏は語ります。
「品番入力の際、英字の大文字限定のため小文字は受け付けない、ハイフン(-)の有無でエラーになるなど、入力規則から少しでも外れているとデータが消えて再入力を余儀なくされるものでした。既存ベンダーに改修も相談しましたが、・・・・・・・・」
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