Excel好きな日本人?

多くの人が心当たりがあると思われるこの話。またまた日本人ネタで。 なぜかっていうと、何でもできるからです。さすがに方眼紙を作ったって話はびっくりしましたが。 何でもできるといえばWordだってできるはずなんですが、セルの計算ができる分Excelが重宝されるのでしょうか。

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2月 14, 20181分で読めます

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多くの人が心当たりがあると思われるこの話。またまた日本人ネタで。
なぜかっていうと、何でもできるからです。さすがに方眼紙を作ったって話はびっくりしましたが。
何でもできるといえばWordだってできるはずなんですが、セルの計算ができる分Excelが重宝されるのでしょうか。
何かを書いて送ろう、というときに、人はまずExcelを開きます。メモ帳でもいいのに、開きません。
そして一つのセルに100文字以上入力したりします。スクリーンショットなども、べべっと貼れちゃいます。

別にExcelを否定しているわけではありません。
昔数字が並んでるような名前の、似たようなものを作ってて、Excelに駆逐されたから恨んでいるわけでもありません。会社まで買いに来る人がいて、「とりあえず1だけください」なんて言う、幸せな時代でした。
その同じ会社でグループウエアをやっていた時に、リッチテキストエディタがあって、そこでもいってみりゃあ何でもできたので、「なんでみんな添付ファイルにしたがるんだろう?」とずーっと不思議でした。だって、まずぱっと見れない。ダウンロードしてアプリ立ち上げてって、誰もそこを時間の無駄だと感じていないところに違和感を感じていました。もちろん社外とのやり取りは共通環境がないのでそうせざるを得ないのはわかります。でも社内同士でもそうなんです。癖になるのかな。

社外といえば、課題管理表みたいのをExcelでやり取りすることがあります。
これ、社外から送られてくる場合って、まず添付のExcelは暗号化されていますから、

  1. 別メールにあるパスワードをコピペして解凍
  2. 編集モードで開いて書き込み
  3. ローカルに保存
  4. 圧縮して暗号化する
  5. 返信メールに添付
  6. 別メールでパスワードを送付

という、とんでもなく面倒なことをやらなければなりません。そしてデスクトップは保存ファイルでぐちゃぐちゃに。
会社によっては4,5,6あたりは自動化されているかもしれませんが、それでも面倒なことには変わりありません。
確かにクラウドで課題管理すれば終わりじゃんというのはその通りですが、なかなかこの分野もデファクトスタンダードというものがなく、いまだにメールとExcelでやり取りされているのがほとんどです。これデファクトとったら、大金持ち確定な気がします。Office365が取りそう?
セキュリティを担保するために、多少の面倒は許容する、というパッケージソフト屋さんから見ると全く持って意味不明な論理がまかり通っています。

面倒なこと以外にも弊害はあって、

  • ウイルス検査に引っかからない
  •  検索できない

これって致命的でしょ的な問題でもあります。まあメールサーバでのウイルスチェックよりもクライアントでのチェックがあればいいというのはありますが、検索できないというのはどうしようもありません。
メールソフトから探す場合、題名や送信者名を覚えていない限り本文で探すので暗号化ファイルが添付されたメールのみが引っ掛かります。パスワードメールはまた別なので、題名をコピペしてまた検索するという羽目に。
ECMではメールも取り込めますが、暗号化ファイルは検索対象外です。対象にするには上記の3.でECMに保存するしかありません。そこが自動化できれば、それだけでもECMを使う価値はあるのかもしれません。

話をExcelに戻すと、データの再利用性という問題も無視できません。セルに入っているのはデータなので、それを取り出してどうこうしようというわけです。これも今のECMなら、セルの値をファイルの属性として取り込むことができます。これって何がうれしいかって、Excelでワークフローのフォームが作れるんですね。セルに入力したデータがワークフローの属性になるので、分岐条件とかに流用できます。HTML+Javascriptで作る従来のWebフォームよりも、Excelフォームの方が作る敷居はぐーんと下がります。ここは、日本人でよかったーと思う瞬間です。

このように、何でもできるExcelは重宝されているわけですが、マルチパーパスが何でもいいかというと、そうとも限りません。ECMなんてその最たる例で、何でもできすぎるがゆえに「よくわかんない」とか「うちでは使いこなせないと思う」などと言われます。
別に使いこなす必要なんてないんですけどね。Excelだって全機能使いこなしてるわけじゃないのに。
能動的に使いこなさなきゃいけない機能と、バックグラウンドで勝手に動く機能があります。デスクトップアプリの場合、ほとんどが前者ですから、「使いこなさないともったいない」という思考に陥るのかもしれません。でも実は後者のほうが価値を見出しやすいというのはあまり語られていません。この場合、教育がいらないので、大規模に展開しやすいという利点もあります。例えばECMで言えば、記録管理がそれにあたります。知らない間に粛々とファイルに対する記録が取られているので、あとでさかのぼって調査したりするときに重宝します。というか必須です。

オープンテキスト株式会社
ソリューション部 部長
大沢 明広

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