SAP S/4HANA移行のメリット

私は過去に、ERPとビジネスプロセスとの微調整に多…

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Ataru Takenouchi

10月 13, 20201分で読めます

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私は過去に、ERPとビジネスプロセスとの微調整に多くの労力を費やしてきた企業をたくさん見てきました。

いまだSAP S/4HANAのアップグレードを検討していない企業では、その理由として「コストがかかり」、「S/4HANAのメリットを感じられない」と考えていることが多いようです。

絶妙にチューニングされたビジネスプロセスを変えることは、確かに困難を伴いますが、ただそれだけでは、移行を否定する説得力のある説明にはなりません。

なぜなら先進的なERPへの移行は、生産性の向上から従業員のエンゲージメント、顧客体験からイノベーションまで、企業全体に変革的な利益をもたらすことができるからです。

SAP S/4HANAへの移行は、単なる技術のアップグレードをはるかに超えた、実際に測定可能ないくつものメリットで示される説得力のあるビジネスケースを生み出すことになります。

このブログでは変革のメリットと、移行の課題を軽減する方法に触れていきます。

SAP S/4HANAはどのような変革をもたらすのか?

SAP S/4HANAは単なる新しいバージョンのソフトウェアではありません。アップグレードを検討する際には、レガシーERPでは対応できない主要なビジネス課題を理解する必要があります。

私は、SAP S/4HANAが変革をもたらす主なビジネス課題として、生産性、従業員のエンゲージメント、顧客体験、イノベーション、持続可能性の5つを挙げます。

生産性- すべての資産のROIを最大化

生産性とは、従業員だけでなく、機械、トラック、ITサーバーなど、あらゆる資産への投資収益率(ROI)を最大化することです。

従来のERPプラットフォームは、イベントを記録しそれらを報告する、記録と報告のパターンに従っています。

今日の目まぐるしく変化するビジネス環境では、より高いレベルの自動化が求められています。

SAP S/4HANAは、機械学習、ロボティクス、モノのインターネット(IoT)などの機能を活用して、自動化されたフィードバックループを構築することを可能にします。

マッキンゼーは、インテリジェントなプロセスの自動化を次世代のオペレーティング・モデルのエンジンとして認識しています。

変化への適応は自動化され、瞬時に行われるようになり、記録と報告はシステムの存在意義ではなく副産物となります。

すべての資産の生産性が向上し、従業員はより価値の高い仕事に専念できるようになるのです。

従業員のエンゲージメント- わずか13%

2019年のガートナーの調査では、自分の仕事に概ね満足していると答えている従業員はわずか13%しかいませんでした。これは経営陣にとっての大きな懸念事項に違いありません。

業務のデジタル化は、従業員の満足度の鍵となる日々の労働環境の質を左右します。

自動化は従業員にとっての脅威ではなく、SAP S/4HANAのようなプラットフォームに移行することで、レガシーERPが要求する反復的なトランザクションを取り除き、エンゲージメントを高めることにつながります。

SAP S/4HANAのロールベースのモバイル対応Fioriインターフェイスは、従業員のエンゲージメントを向上させ、従業員が関与する必要のあるプロセスの数を減らしながら、重要なやり取りを簡単にします。

SAP S/4HANAは、洗練されたビジネスプロセスにより、従業員の不満を解消することができるのです。

顧客体験- 顧客が望むものを迅速に手に入れる

SAP S/4HANAは、ビジネスシステムの要素を単一のプラットフォームに統合し、データ分析のスピードと範囲を段階的に改善することで洞察力を高め、ビジネスプロセスへのフィードバックを可能にします。

この迅速で一貫性のある納品、価値の向上、変化するニーズや要求への機敏な対応といったアウトプットは、顧客体験を改善させる大きな要素です。

イノベーション― 一丸となって動く俊敏性

過去、多くのフィルム写真メーカーが、統合されていないプロセスの多さから技術革新が遅れ、技術的なブレークスルーが妨げられていたように、今日の企業では、システムやプロセスの断片化がイノベーションの足かせとなっていることが知られています。

SAP S/4HANAは、携帯電話が写真撮影を変革したのと同じように、ビジネスを変革するでしょう。

これにより、ビジネスは常に革新的で、市場の変化に合わせてビジネスモデルを迅速に適応させることが可能になります。

持続可能性- ITフットプリントの縮小

クラウドでもオンプレミスでも、基幹システムのコンポーネントをプラットフォームとして統合することで、生産性を大幅に向上させ、ITの総所有コスト(TCO)を削減することができます。

さらに重要なのは、レガシーERPやその他の断片化されたシステムを所有するよりも、環境への影響が小さくなるため、持続可能性をも実現させることです。

新たな世界における真のビジネス価値

このCOVID-19により破壊された世界では、企業が非常にダイナミックな状況に対応できるように、洞察力、敏捷性、コントロール力、実行力を強化することが、これまで以上に重要になっています。SAP S/4HANAは以下のようなメリットを提供します。

  • 50%:請求処理時間を50%短縮- キャッシュフローの管理を改善
  • 90%:90%の計画効率の改善- 変化への対応力向上
  • 100%:全拠点の在庫が100%可視化され運転資金が節約。サプライチェーンの強靭さが向上。

次回は、SAP S/4HANAへの移行をどのように行うかを見ていきます。

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