デジタルマーケティングといえば、ビッグデータを、分析して、AIで、リコメンデーション… モバイルファースト…
ちょっと待ってください。無味乾燥なデータを目にして、感じて、行動しますか? 私は違います。問題は中身とタイミング。画像や文字、動画といったコンテンツを、モバイルやPC、印刷物や対面などで感じているのです。そしてメッセージを意識的・無意識に解釈し、反応します。データの分析やタイミングはとても重要ですが、それを生かす中身、刺さるコンテンツとして、オーディエンスの都合や好みに応じたチャネルで届けることで、期待する行動に結び付けることができます。
いまあるコア業務システム、分析・マーケティングシステムから、より高いROIを
既に顧客分析やマーケティングツールが導入されていることでしょう。Exstreamは期待する行動につながる刺さるコンテンツを生成・配信することで、投資を補完。さらに高いROIを実現します。
多くのマーケティングツールは、印刷チャネルが苦手。効果が高いことが分かっていても、Webやモバイル向けと同じレベルのパーソナライゼーションや、同じタイミングでの配信は困難です。Exstreamを活用すれば、同じデジタルコンテンツを活用して、特定セグメントに思わず開封するような印刷物を送付することができます。MAが得意と思われがちなEメールキャンペーンでも、せっかく効果的なターゲティングを行っているのに、送られるコンテンツは、誰に対しても、ほぼ一律。同じオファリングでも、顧客の属性に応じてクリエイティブやメッセージをパーソナライズしたり、複数のキャンペーンを同時に組み込んだりすれば、さらに効果を高めることができます。
企画を起点とするイベントベースのダイレクトマーケティングでは、従来、印刷チャネルのリードタイムと煩雑なプロセスのために、クロスチャネルへの同時展開や、印刷でのパーソナライゼーションが困難でした。これからは、パーソナライズされたリッチなデザインのPDFを印刷会社に送るだけ。いつでもタイムリーに、ターゲットひとりひとりに刺さるメッセージを、クロスチャネルで届けることができます。同じクリエイティブを活用したEメールやモバイルメッセージと同期して、あるいは段階的にコントロールして展開できます。Webでの登録や購入、Eメールのフォローとして特定のターゲットに郵送する応用も自由自在。購入・納品やカート落ち、といったリアルタイムのイベントを起点とする自動フォローアップも、簡単。SLAベースのサービスに接続すれば、インパクトのある印刷でも、翌日に届けられます。
元々マーケティングが考慮されていないコア業務システムからのデータに、分析システムからのセグメンテーション情報を加え、パーソナライズされたコンテンツを顧客への帳票に組み込むことができます。せいぜい一律の同封物やメッセージを組み込むだけだった、総合通知や運用レポートなどが、開封率の高さを生かすメディアに生まれ変わります。
このテクニックは、トランスプロモとして知られています。印刷会社主導が根強い日本では、必ずしも一般的とはいえませんが、グローバルで多くの企業が利用明細やステートメントなどに、さりげなくマーケティングメッセージを組み込んで、成果を上げています。実はExstreamはそのパイオニア。例えば明細を示す一覧(テーブル)の下、といった本来のコンテンツを生成した後の余白(ホワイトスペース)を管理して、そこに収まるメッセージを組み込んだり、生成ページ数から最終的な重量を予測して郵送料金が変わらない範囲で組み込むメッセージ量をコントロールしたりする巧妙な機能を備えています。
このようにダイナミックにキャンペーンを組み込むと同時に、顧客に適用されたキャンペーンをトラッキング。レスポンスを分析する際に使えるだけでなく、次回のキャンペーン適用時に、前回送った顧客には同じ内容を送らない、といったコントロールも実現できます。過去、印刷会社に依存していてはできなかったことが、より簡単に、より効果的に、より鮮度高く、しかも低コストで実現できます。
もちろん第3回で説明した通り、Eメールなど、クロスチャネルで同時展開も可能。エラーや開封なども追跡して次に向けた分析にフィードバックします。
部門の壁を越えるコラボレーション
トランスプロモのように、マーケティングは注目度や開封率が高いトランザクショナルなコミュニケーションにメッセージを組み込んで、クロスセル/アップセルの機会を作りたい。主管部門では本来の目的に集中したい。しばしば両者の調整が課題となります。ExstreamのCampaign Management機能は、マーケティングメッセージを本体のデザインから切り離し、フレキシブルに組み合わせるコンテナーとして”キャンペーン”を提供します。マーケティングはメッセージとキャンペーンにフォーカスして準備を進め、オペレーションがあらかじめ用意したデザイン上のフレームに自動的に流し込むことができます。分析によるセグメンテーションやデモグラフィックな属性に応じて、組み込まれるメッセージをパーソナライズ。マーケティングの意図をいつでもタイムリーに反映します。
ダイレクトマーケティングに応用した次の例では、ディーラーを支援するキャンペーンをメーカーが実施しているシナリオです。ユーザーと所有車両に応じてグラフィックスやクーポンをパーソナライズし、地図や差出人といったディーラー情報をカスタマイズしています。
受け取ったユーザーは、何の違和感もなく、身近なディーラーから、自分に向けたメッセージが届いたものと受け止めることでしょう。もちろんこの例でも、同様な内容をEメールでも届けています。
コンテンツをとことん活用 – Single Source of Truth (SSOT)
クロスチャネルで一貫したメッセージを届けるには、クリエイティブも一貫した管理が必要。OpenText Media Managementで使用先を問わず横串を通して管理されたデジタル資産を、ダイレクトに連携。デザインに埋め込むことはもちろん、実行時に組み込んで、リッチなコンテンツによるパーソナライゼーションを、Webだけでなく、Eメールでも、印刷でも、効果的に行います。Single Source of Truth (SSOT)の理想を、掛け声だけで終わらせず、印刷チャネルでも実現します。
ビジネスユーザー自身でタイムリーにメッセージを更新
Content Authorで、マーケティングメッセージだけをアップデートすることができます。ブラウザーからコンテンツを編集して、承認フローで確認すれば、完了。いちいちITに変更を依頼する面倒な手順は、必要ありません。
リッチなコンテンツ×パーソナライゼーション×クロスチャネル
このようにExstreamのマーケティング機能は、顧客の行動を左右するコンテンツの生成と配信にフォーカスしています。分析やターゲティングのデータに沿って、既にあるリッチなコンテンツを組み込み、パーソナライズして、顧客が望むチャネルで展開。実行サイクルを短縮し、既存の顧客帳票の価値を向上。企業の資産と投資を活用し、より高い成果に導きます。
最終回となる次回では、大規模なコンカレント開発にも応える柔軟で強力な開発とインテグレーション機能、そしてスムーズなテストを支援する機能もご紹介しましょう。