世界的コロナ危機で余儀なくされたリモートワークへの移行は、今日利用できる堅牢なクラウド・インフラストラクチャなしには不可能であったでしょう。ある調査によると88％を超える企業がクラウドを利用し、25%がすべてのアプリケーションを来年中にクラウド環境に移す予定であると答えています。このような動きは、コロナ禍で以前より柔軟な働き方が可能になったことが大きな要因であることは確かです。実際、在宅勤務日数はパンデミック前と比較して49%も増加しています。しかし、パンデミックがきっかけで始まったクラウドへの移行は、この危機が去った後も依然として続いており、状況が元に戻る兆しはありません。最近の調査では、回答者の83%が、柔軟な業務形態は今後しばらく続くと予想しています。
ここで多くの企業にとって問題となるのは、クラウドへの移行はシームレスに行えないということです。多くの企業が関連コストやダウンタイム、リソース要件に悩まされています。クラウドへの移行が成功するか否かは、これらの問題を見越して備えを講じることができるか否かにかかっています。さらに、一般的に以下の問題があります。
- ダウンタイムに対する耐性が低い
- 従業員の残業時間が増加する
- カットオーバー時に新システムが認証できない
これらは確かに重大な障害ですが、適切に計画を立て、適切な移行ツールを使うことで容易に解決することができます。
“無償の”移行ツール
多くのクラウド・ベンダーが、データをクラウド・プラットフォームに移行するためのツールを無償で提供しています。しかし、この無償ツールは見た目ほどシンプルではないため、データのみを単純に移行する場合に適しています。バックエンドのデータベース・サーバーにつながっているフロントエンド・アプリケーションを移行する場合は、以下を実行する必要があります。
- プロダクション・サーバーを、スナップショット作成のためにオフラインにするタイミングを決定する
- 新しいレプリカを作成するために、スナップショットをクラウドへ取り込む
- カットオーバーの実行をスタッフに割り当てる
- データの完全性およびアプリケーション機能を検証する
- 新しいサーバーへの移行前後におけるUXの一貫性をテストする
この方法の場合、 アプリケーションをオフラインにした時点でダウンタイムが始まり、その後、移行ツールが最終スナップショットを作成してデータを同期できるようになります。このように時間のかかる作業は、移行プロジェクトに支障をきたす恐れがあります。移行がいつ完了するかわからなければ、ユーザーは、新システムがオンラインになるのを待ち続けることになります。最終同期の終了後、担当者が検証とテストを行って移行を完了するまでに数時間を要する可能性もあります。
サーバー移行はロケット科学ではない
NASAのエンジニアでなくとも、クラウドに移行することは可能です。しかし、個々の移行要件を満たすには、適切に計画を立て適切なツールを使用することが不可欠です。前述の方法においてダウンタイムを抑える鍵となるのは、リアルタイム・レプリケーションを使ってプロダクション・サーバーのレプリカを作成することであり、まさにこれがCarbonite™ Migrateの機能です。Carbonite™ Migrateを使用すると、プロダクション・サーバーをオフラインにすることなくスナップショットを作成でき、実際にカットオーバーを行う前に新しいレプリカをテストすることが可能になるため、ダウンタイムを削減できます。さらに、レプリカはリアルタイムでソースの状態を反映するため、ある時点でのスナップショットと稼働中のプロダクション・サーバーの不一致が原因でデータが失われることがほとんどなくなります。また、レプリカは常に更新されるため、カットオーバー直前の最終同期も不要になります。
移行に伴う危険を避ける
データの移行は、決して一度限りの作業ではありません。適切に実行すれば、将来に向けてIT資産を刷新する際に柔軟な対応が可能となります。以下に、陥りがちな危険を避けるための秘訣をいくつか挙げます。
- 移行のために綿密な計画を立てる – 新しいプラットフォームで問題が発生して古いプラットフォームに戻らなければならないこともあります。新しいデータを失わずにソースに復帰できるように計画を立てましょう。
- 作業はチャンクに分割する – プロジェクトは論理ユニットに分割し、サーバーのグループごとに処理しましょう。
- 徹底的な機能テスト – 移行を成功させるには、完全な機能テストが不可欠です。
- 適切なタイミングで支援を得る 移行に関して豊富な知識を持つサービス・プロバイダーであれば、移行が失敗するリスクを低減し、問題が生じた際はゴールラインまで導いてくれるでしょう。
- 長期的視野を持つ – 移行は一度では済まないと考えましょう。現在のプロジェクトだけでなく、将来のプロジェクトでも有用なツールや手法への投資を惜しまず継続しましょう。
- 移行を最大限に活用する – 事業継続計画 (BCP) を見直す機会を持ち、高可用性 (HA) および災害復旧 (DR) 戦略を包括的に検討し、それぞれの計画が補完し合い、より大規模な事業継続戦略の一部として機能するように構成しましょう。
詳細
製品の詳細についてはCarbonite™ Migrateページを参照してください。
