デジタルほど急速かつ劇的に私たちの世界を変えるものは、ほとんどありません。 このトランスフォーメーションのハブなるのがInternet of Things (IoT) – すなわち、接続され、通信し、データを交換する、デバイスと機械の巨大でグローバルなネットワークです。
10年前には、インターネットに接続されたデバイスは約5億台にすぎませんでした。 今日では、推定200億台が存在します。 この数は2020年までに倍増すると予測されています。(AIG: The Internet of Things: Benefits and Risks)
IoTは急激に成長している
モバイルテクノロジーの進化とセンサー価格の低下が、IoTの成長を加速しています。 センサー価格の低下が続けば、すべてがIoTの一部となり、「Internet of Everything」を生み出すことができます。
ただちにはIoTのインパクトを感じないかもしれませんが、すぐに私たちがより健康的な生活を送れるように助けてくれるでしょう。 IoTに接続されたバイオテクノロジーの進歩は、24時間継続的なモニタリング、標的治療、さらには医薬の自動投与でさえ可能とし、ヘルスケアを次のレベルへと引き上げます。
IoTは、より安全な生活を送るのにも役立ちます。 スマートシティですべてがIoTグリッドに接続されると、自律走行車が衝突事故の94％(NHTSA: NHTSA Data Shows Traffic Deaths up 7.7 Percent in 2015) (ヒューマンエラーによって発生)をなくして年間100万人以上(GHO: Number of road traffic deaths)の命を救い、道路は車の乗員と歩行者双方にとってより安全になります。 結果として私たちはより長い人生を生きるでしょう(詳細は今後の記事で)。
職場もより安全な場所になります。
2015年には、米国だけで労働に関連して290万人以上が負傷し、4,800人が死亡しています。 IoT対応工場の機械は、作業員が危険な箇所にいることを感知すると、自動的に装置を停止することができます。 ウェアラブル機器に組み込まれたセンサーは、労働者に危険な状況にあることを知らせることができます。
IoTのある環境はより安全なだけでなく、より効率的です。 グローバルサプライチェーンをエンドツーエンドで接続することにより、どこでも可視化、プロアクティブな補充、そして予測メンテナンスが可能となります。 たとえば飛行機の部品が飛行中に軽微な損傷を受けた場合、センサーは飛行機が着陸したときに部品を交換する必要があるかどうかを予測することができます。 この種の予測メンテナンスにより、製造業では設備のダウンタイムが劇的に削減され、コストは大幅に削減されます。
IoTにより、すべての業界でデータドリブンの意思決定が標準となります。 たとえばリテールでは、スマート配送のための経路の追跡と最適化が可能となります。 リアルタイムの需要に基づいて、自動化された在庫パレットが自分で位置を並べ替えます。また価格は製品の時間・空間的な近さからカスタマイズできます。 より良いサービスを高度に接続された顧客に提供するためにバーチャルとフィジカルのショッピングを融合させたスマートストアで、これらすべてが頂点に達します。
このような世界の融合によって、人類は人間とロボットが共存する新しいIoT環境に適応することが必要となります。 このように統合された労働環境では、ロボットにも人間の同僚同様、HRデータ(製造元やモデル、配置日付など)に加えてアクティビティログも記録する「従業員ファイル」があります。事故が発生してロボットが人に怪我を負わせた場合、不具合を追求するインサイトを得たり、弁護の証拠として使うために、ロボットのファイルが引き出されます。
IoTは機会に満ちていますが、リスクがないわけではありません。
非常に多くのデバイス、システム、および人々がIoTに接続されるため、情報プライバシーとサイバーセキュリティが主な懸案事項となります。 プライバシーにおいては、調査によると10,000世帯が毎日1億5,000万の個別データポイント、あるいは毎分約10のデータポイントを生成できます。 これにより、より多くのハッカーのためのエントリポイントが作成され、個人情報のパンくずリストが残されます。 外部の脅威に影響されない環境を作成する能力によって、量子コンピューティングが検討されています。 テクノロジー基準と利用ガイドラインの確立は、セキュリティと並んで、IoTの未来にとって重要な次のステップとなります。
あるいはIoTの最大のインパクトは、私たちがより長い人生を、より健康的に生きることを助けてくれることかもしれません。 このシリーズの次回の記事では、150歳まで生きることをIoTのようなテクノロジーがどのように実現するかを探求します。
(当ブログは2017年11月7日に米国で発表された Ten things impacting the world: the Internet of Thingsブログ記事の抄訳です)